レクサスはLSを皮切りにESを発表するなど新世代のラインナップへの転換を実施中だ。
しかしながらミドルサイズセダンのGSなどは置き去りになった感もあるし、RCとLCなど少々コンセプトがかぶり気味なクルマも出てきた。
さらに海の向こうからはレクサスのミニバンが登場するなど、刻々とレクサスのラインナップ戦略が変わってきたように思える。
一見するとまとまりがないようにも思えるレクサスのラインナップは今後どのように変わっていくのか?
販売店への徹底的な取材によって今後のレクサスの情勢に迫りました。
文:遠藤徹/写真:編集部
■ESに吸収されるGSの穴は次期ISが埋める??
レクサスのモデルラインナップが現段階で少し曖昧な状況にあると感じる人も多いだろう。
レクサスのモデル戦略は今過度期にあり、2020~2022年あたりで主要モデルが世代交代、さらに新規モデルの投入によって商品ラインアップの再編強化がなされる方向にある。
特に販売台数が減っているGSについては、2018年10月下旬投入のFF最上級サルーン「ES」の影響が思った以上に大きい。
ESは高い人気を得ており、GSの存在価値を小さくしているのは確かだ。GSよりもサイズは大きくクオリティは高いという声も多い。
GSと異なりFFではあるがリーズナブルな価格設定、量販レクサスブランドでは残価設定クレジットの3年後の残価率55%を設定しているように最も高いリセールバリューを保持しているのも大きい。
あまり販売が芳しくないGSが今後ESに吸収されるのは濃厚だが、2019年7月中旬現在、まだ生産は継続されており、最終的な方針決定はされていないようだ。
ひとつクラス下のサルーンであるISが2020年中盤にも世代交代する可能性がある。結果的にはISはサイズアップを伴う上級車へシフトし、GSのポジションもカバーするような仕立てになるはずだ。
これによってGSは役目を完全に終える可能性がある。
同じような考え方でRCは2021年秋の世代交代でサイズアップを実施して上級シフト、さらに同じくクーペのLCも2022年あたりの次世代モデルで上級シフトする。
これでLCとRCは異なるポジションに棲み分けることとなり、さらなる高いポテンシャルを盛り込んで棲み分けを明確にするはずである。
■まさかのレクサスのミニバン投入で販売台数倍増を図る
また2021年から2022年あたりに新しくラインアップに加わるのは新型プレミアムミニバンである。
ベースはトヨタブランドの「アルファード」である。車両本体価格は600~800万円の3列シートで7~8人乗りの量販タイプと、2列シート4人乗りで1000万円以上のエグゼクティブバージョンを設定する。
これまでレクサスは「ミニバンは設定しない。」とのポリシーを貫いてきた。この方針を転換したのはライバルのベンツやBMWに対抗させるにはどうしても必要といった判断があり、販売現場であるレクサス店の強力な要望にも従ったといった経緯があるようだ。
SUVでは2018年11月下旬に投入したUXがある。トヨタブランドのC-HRがベースとなっているといわれるが、実際はまったくの別物といえる。
パワーユニットは2リッターNAガソリンと同ハイブリッドを搭載している。
この2リッターハイブリッドは現段階ではトヨタブランドには存在せず、レクサス独自のハイポテンシャルなコンパクトクラス用パワーユニットといえる。
これまでこのポジションは1.8リッターがカバーしてきた。レクサスブランドでは現在「CT200h」に搭載している。
2021年後半にも世代交代する次世代モデルでは、2リッターに排気量アップし「CT250h」に上級シフトするはずだ。
コメント
コメントの使い方