カーナビと言えばここ数年のトレンドして「大画面」や「コネクテッド」が挙げられる。この背景にあるのは、大きなライバルとなっているスマホとの差別化だ。特に見やすい大画面の採用やブルーレイの再生は、スマホにはできない。
さらに購入時の大きなポイントとなっているのが、「安全・安心」をサポートする機能である。ポータブルからハイエンドまで、最新の安全・安心機能の傾向を解説する。
文/高山正寛、写真/パナソニック、パイオニア、ユピテル
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■現在のカーナビの重要トレンドのひとつ
若年層には理解しづらい部分もあるかもしれないが、ここ数年来、高齢者ドライバーの事故統計を見ても明らかなように高速道路のSA/PAにおける合流時の「逆走」やそもそも高速道路の出口に向かって侵入してしまうというケースも発生している。
元々高速道路の出口は侵入しにくい構造になっているのだが、それでも実際、一般道から出口に向かって侵入した車両を筆者も見た経験がある(正直ビビった)。
ドライバー本人としては別に間違っていない、と思う「無意識逆走」や、入ってしまって後退することができずあたふたしてしまうなど、いわゆる認知・判断力の低下も原因であることは今更説明の必要はないほどだ。
ではどうやってこれらを極力未然に防ぐかがポイントとなるわけだが、そこに重要となるのが、カーナビに搭載される「安全・安心」機能である。
■最新機能は大きく2つのトレンド
そもそも自車位置をGPSを始めとした衛星で受信し、車両からの車速パルス等で補正するのがカーナビの精度を決める重要な機能だが、これにプラスして地図データのレイヤー(階層)のひとつに安全・安心のためのデータを組み込み、状況に応じて注意・警告を促すのが基本的な考えだ。
これらには大きく分けて2種類あり、まずは前述した高速道路上での逆走などを検知し警告するもの。そして速度超過や取り締まりエリア、さらに駐車禁止エリアや最近では「ゾーン30」などを警告するいわゆるドライバー側の「うっかり違反」を抑止するものがある。
具体的には
1)逆走注意&警告機能
現在のカーナビでも多く採用されている機能。高速道路のSA/PAから発進する際に元々入ってきた方向に走ってしまうことを警告したり、高速道路の合流部で逆走の可能性がある場合にも音声や画面上で警告を促す。
2)道路標識や走行時の注意ポイントを警告
制限速度超過や進入禁止、合流やレーン減少など普通に走っていれば気がつくはず……しかし、これを“うっかり”見落としてしまう。これらを逆走警告同様に音声と画面上にアイコン等で表示する。この他にも踏切案内や一時停止案内など促す機能もある。
3)ゾーン30や冠水ポイントなどを警告
住宅地や学区などのエリアの最高速度を時速30km未満に制限するのが「ゾーン30」。また過去の実績から集中豪雨などの際に冠水する可能性のあるエリア(アンダーパスなど)を表示(警告)することで事前に安全運転を意識できる。
4)オービスや取り締まり情報
本来であればレーダー探知機の出番ではあるが、昨今はデータベースの充実もあり、予めこれらをインストールすることで速度抑制も含めた安全運転を啓蒙するのが狙い。
但し最新の移動式オービスにはほとんど対応していない。またカロッツェリアのカーナビの場合はかなり昔からオービスデータをインストールすることで安全運転を啓蒙する仕組みを用意しており、現在も高い人気を誇っている。
5)長時間走行に対して休憩を促す
比較的昔から搭載されている機能。これも一種の“うっかり”だが、長時間運転による判断力低下なども含めて一定時間(例:90分)連続走行している際に休憩を促す。
6)前走車発進など簡易型ADAS機能
これに関しては昨今ではドラレコに多く採用されているが、何よりもカメラが無いと前走車等の状況は把握できないのでカーナビの場合はハイエンドモデル、それも一部に限られる。
7)最新のテレマティクスを活用
まだまだ数は少ないが、一般道上に設置されている高度化光ビーコンからの情報を対応するETC2.0車載器で受信することで信号のスムーズな通過、また赤信号による減速支援などを行うTSPS(信号情報活用支援システム)の情報をカーナビ上に表示する。
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