マツダのアイコンとして、今なおファンの関心を集めるロータリーエンジン(RE)。その最後を飾ったのが、2003年に登場したRX-8だ。RX-7の後継でありながら、個性的なピラーレス4ドアクーペボディに自然吸気式REを組み合わせるなど、新感覚のREスポーツカーに仕上げられていた。
しかしRX-7の後継となる次世代REモデルのプロジェクトは、当初、RX-7の伝統を受け継いだ2ドアクーペが想定されていた。それがコンセプトカー「RX-01」だ。運命のいたずらで世に出る機会が失われた幻のREクーペはどんなクルマだったのだろうか。
文/大音安弘
写真/MAZDA、大音安弘
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■RX-01は1995年の東京モーターショーで公開
次世代REコンセプトカー「RX-01」が世界初公開されたのは、野茂英雄がメジャーリーグに挑み、安室奈美恵がファッションリーダーとして注目された1995年(平成7年)のこと。その舞台は、第31回の東京モーターショーであった。
同車は、新開発のロータリーエンジンを搭載し、操る楽しさを追求したスポーツカーとして紹介された。3代目RX-7のようなグラマラスなプロポーションを持つREコンセプトカーは、来場したクルマ好きの心を鷲掴みにし、マツダブースに花を添えた。
コンパクト&ライトウェイトなピュアスポーツカーを目指したRX-01は、「ショート&ワイド」のプロポーションを採用。前後のオーバーハングを大胆に切り詰めることで、3代目RX-7よりもひと回り小さなボディに仕上げられていた。
そのコンパクトなボディで、美しいスタイルとエアロダイナミクスの両方を成立させるべく、「超スラントノーズ」と呼んだ低く切りあがったフロントノーズが与えられていた。
このフロントノーズには、ジャガーIペイスのようなボンネット上のエアダクトを備えており、フロントバンパーのダクトから取り入れた空気がボンネットの上を抜け、後方へとキレイに流れるように設計されていた。
驚くべきは、そのタイトなフロントノーズにエンジンを搭載したFRレイアウトを採用していたことだ。これもコンパクトなロータリーならではの技。RX-01のデザインは、REのメリットを最大限引き出すものが目指されたのだ。
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