愛車のエンジンを最適な状態に保つためには、欠かせない「オイル交換」。
近年では、ディーラーやカー用品店、ガソリンスタンドなどで、作業をお願いしている方も多いでしょう。
なかでも「カー用品店」は、工賃が比較的安価であり、またオイル自体も安く売られているので、多くの方が利用しやすい環境にあります。
しかし、そこで困ってしまうのが「オイル選び」。多くの種類が並んでいるカー用品店では、どのオイルを選べばいいのか悩むケースも多いでしょう。
最適なオイル選びは、やはり知識として知っておきたいところ。そこで今回は「エンジンオイルの選び方」についてご紹介いたします。
文:立花義人
写真:Adobe Stock、編集部
エンジンオイルの「粘度」=軟らかさ

エンジンオイルには油脂分だけでなく添加剤が配合されており、それによって様々な種類がありますが、まず注目すべきは「粘度」と「ベースオイル」です。
「粘度」とは、オイルの「軟らかさ」を示します。
例えば、粘度が低くてサラサラしている、軟らかいエンジンオイルは、エンジンの始動性が良く、抵抗が少なくなるため、エコカーなどの燃費が良い車によく使われています。
ただ、こうした軟らかいオイルだと、エンジンが高回転時に油膜切れを起こしてしまうため、スポーツカーなど高性能エンジンには不向きです。
逆に、エコカーに粘度の高いものを入れてしまうと、エンジン内部に思わぬダメージを与えてしまう可能性もあります。
このため、各自動車メーカーは、クルマの取り扱い説明書や車内に、そのクルマに適切なエンジンオイルの「粘度指定」を表記しているので、それと同じか、もしくは近い粘度のエンジンオイルを選ぶ必要があります。
5W-40の「W」って? 「数字」は何を示す?

エンジンオイルの缶に記されている「5W-40」という粘度表記を見てください。
「W」というのは「Winter」、つまり「冬」の略。Wより前の数字が低ければ低いほど、低温時でも粘度を低くすることができ、始動性が良くなります。
一方、ハイフンの後の「数字」は、高温時の粘度を表しており、この数字が高ければ高いほど、高温時の油膜を保持する能力が高いことを示しています。
また、エンジンオイルの基本となる「ベースオイル」には3種類あります。
・鉱物油:最も安価なベースオイル。原油から不純物を取り除いて精製
・部分合成油:鉱物油に他の精製油を混ぜて生成。鉱物油よりも耐熱性や耐酸化性の高い中間グレード
・化学合成油:最も潤滑性や耐熱性に優れたオイル。高性能であるため価格は高い
このように、同じ粘度のオイルでもベースオイルの種類によって性能が異なりますので、自分が求める性能に合わせて、選ぶ必要があります。