大ヒット確実!? カローラツーリングはワゴン市場に波乱を起こせるか?!

後席やラゲッジルームの広さは?

インパネのデザインはカローラスポーツと同じでデザイン性の高さとクオリティの高さが光る
インパネのデザインはカローラスポーツと同じでデザイン性の高さとクオリティの高さが光る

 内装は新型の場合、基本的にカローラスポーツと同じだ。インパネには部分的に柔らかいパッドが使われ、旧型に比べると質感が高い。

 前席の座り心地も新型が快適だ。背もたれは腰を包む形状でサポート性が良い。体重が加わる背もたれの下側から座面をしっかりと造り、体を確実に支える。長距離を移動する時でも疲れにくい。

後席の足元空間が狭く、逆に旧型より狭くなったという
後席の足元空間が狭く、逆に旧型より狭くなったという

 後席もシートとしての作りは良いが、足元空間が狭い。前後席に座る乗員同士の間隔は、5ドアハッチバックのカローラスポーツと同じになるからだ。 

 身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ1つ半にとどまる。旧型は5ナンバー車だが、握りコブシ2つ分を確保したから、新型は空間効率が下がった。

 さらに後席は床と座面の間隔も不足して、腰の落ち込む着座姿勢になる。開発者によると「後席の床と座面の間隔は旧型を40mm下まわり、前後席に座る乗員同士の間隔も30mm減った」とのことだ。

カローラツーリングのデッキボードは床面の高さを2段階に調節できる。デッキボード下段時のラゲッジ容量は392L、後席前倒しの2名乗車時は802L。デッキボード上段時は通常時325L、デッキアンダースペースが50L。後席前倒しの2名乗車時は751Lとなる(スペアタイヤ搭載車、ハイブリッド4WD車などは除く)
カローラツーリングのデッキボードは床面の高さを2段階に調節できる。デッキボード下段時のラゲッジ容量は392L、後席前倒しの2名乗車時は802L。デッキボード上段時は通常時325L、デッキアンダースペースが50L。後席前倒しの2名乗車時は751Lとなる(スペアタイヤ搭載車、ハイブリッド4WD車などは除く)
デッキボード下段時に6:4分割の後席を倒すと最大802Lまで拡大でき、最大奥行きは1953mmとなる
高さを2段階に調整できるデッキボードは、裏面が樹脂製のため、反転させれば、濡れたり汚れたりした荷物も気兼ねなく載せられる
高さを2段階に調整できるデッキボードは、裏面が樹脂製のため、反転させれば、濡れたり汚れたりした荷物も気兼ねなく載せられる

 さらに荷室の後席を使った状態の奥行寸法も、旧型に比べて50mm少ないから、ボディの後部は全般的に狭くなっている。

 その代わり旧型に比べると、前輪の位置を前側に押し出してホイールベースを拡大したから、ペダルと前輪の間隔は広がった。

 タイヤハウスの張り出しを抑えた実用的なレイアウト。シート格納もスペース効率に優れたダイブダウン式を採用する。フロア床面のデッキボードはリバーシブルの2段式で、深さを任意で変更することが可能だ。

 前輪の収まるホイールハウスがペダルに干渉しにくく、旧型に比べるとペダルの位置を右側に寄せている。その結果、正しい運転姿勢を取れるようになった。このように新型カローラは、前席を優先させて、ドライバー本位のクルマとなった。

 旧型フィールダーのラゲッジ容量は通常時407L、後席を倒した2名乗車時の状態では827L に広がるが、カローラツーリングのラゲッジ容量は通常時392L、後席を倒した状態で2名乗車時は802L(デッキボード下段時)だから、通常のラゲッジ容量は新型カローラツーリングのほうが15L小さいということになる。

走行性能は大幅に向上した!

新型カローラツーリングには1.8Lハイブリッドと、1.8L、NA、そして1.2Lターボの3種類が用意されている
新型カローラツーリングには1.8Lハイブリッドと、1.8L、NA、そして1.2Lターボの3種類が用意されている

 走行性能は大幅に向上した。特に注目されるのが走行安定性と乗り心地だ。プラットフォームを刷新して全幅もワイド化され、カーブを曲がったり車線を変える時の安定性が格段に高まった。

 ステアリングホイールを切り始めた時の反応も正確になり、運転がしやすくなって操舵した時の質感も向上している。乗り心地も粗さが抑えられて快適だ。

 今のクルマはボディ剛性やサスペンションのセッティングを入念に行い、全般的に優れた安定性と乗り心地を両立しているが、日常的な走行速度の高い海外向けの車種が増えた。この影響で速度の上昇に伴って快適性を高める車種が多い。50km/h以下で市街地を走ると、乗り心地の硬さを感じてしまう。

 その点で新しいカローラは、海外仕様と同じプラットフォームを使いながら、低速域の乗り心地も良く、日本向けに開発されたことを感じる。

 同様のことが市街地での運転のしやすさにも当てはまる。先に述べた通り後方視界は旧型に比べて悪化したが、ホイールベースの短いカローラスポーツをベースに開発され、全幅も先代プリウスと同じ数値に抑えた。

 従って海外仕様のカローラに比べるとボディがコンパクトだ。全長は4500mm以下、全幅が1700mm以下の3ナンバーワゴン&セダンは、日本車ではカローラしかない。3ナンバー車になったものの、サイズが全般的に大きくなったセダン&ワゴン市場では、今でもコンパクトな部類に入る。

 最小回転半径も15インチタイヤ装着車が5.0m、売れ筋の16/17インチが5.3mだから、小回りの利きも満足できる。

 旧型の15インチは4.9mだったが、16インチは5.5mまで一気に拡大した。16インチ同士で比べれば、新型の方が小回り性能が優れているのだ。Uターンする時などは、新型の方が扱いやすい場合もある。

1.2LターボにはCVTのほか、6速iMTが用意されているのもポイントだ
1.2LターボにはCVTのほか、6速iMTが用意されているのもポイントだ

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