コストパフォーマンスが高い
価格を機能や装備のバランスで見ると、新型が割安だ。特に1.8LのNAエンジンは、約10年間使われていることもあり、コスト低減が進んだ。装備差を補正してエンジン単体の価格を割り出すと、1.8Lは1.2Lターボに比べて、17万~18万円安く搭載されている。
その結果、選択するグレードによっては、新型の方が価格が割安になっている。先代カローラフィールダー1.8S・W×Bの価格は、消費税を10%に換算すると約238万円であったが、新型のツーリング1.8W×Bは231万6500円だ。
■新型カローラツーリングの価格(ガソリン車)
●G-X、CVT、2WD=201万3000円(1.8L、直噴NA)
●S、CVT、2WD=231万6500円(1.8L、直噴NA)
●W×B、2WD、CVT=236万5000円、6速iMT=245万8500円(1.2L、直噴ターボ)
■新型カローラツーリングの価格(1.8Lハイブリッド車)
●ハイブリッドG-X、2WD=248万5000円、4WD =267万8500円
●ハイブリッドS、2WD =265万1000円、4WD=284万9000円
●ハイブリッドW×B、2WD=279万9500円、4WD=299万7500円
しかも新型は、安全装備を向上させて、車間距離を自動制御できる全車速追従型クルーズコントロール、スマートフォンの接続でカーナビとしても使えるディスプレイオーディオなども標準装着した。装備を充実させながら、値下げしたことになる。
カローラツーリングは、1.8L、NAエンジンが200万~240万円の価格帯をカバーして、ハイブリッドは250万~280万円が売れ筋だ。日本車の中心的な価格帯を受け持つ。
レヴォーグと比べてどっちがいい?
このクラスのステーションワゴンはレヴォーグが独壇場だ。マツダ6やアウトバックが月販売台数200~300台と低迷するなか、レヴォーグのみがミドルクラス以上で唯一コンスタントに1000台以上の販売台数をキープしている。
レヴォーグの価格は1.6Lターボが291万5000~313万5000円。2Lターボが313万50000円の1グレード。
この価格帯でカローラツーリングの価格を見ると、ハイブリッドS、2WD =265万1000円、4WD=284万9000円。ハイブリッドW×B、2WD=279万9500円、4WD=299万7500円 あたりがレヴォーグの1.6Lターボに近い価格。いかにカローラツーリングのコストパフォーマンスが高いかわかるだろう。
レヴォーグのボディサイズは全長4690×全幅1780×全高1500mm 。カローラツーリングと比べ、全長が195mm長く、全幅が35mmワイド、全高が40mm高い 。カローラツーリングより一回り大きいのだ。
ラゲッジ容量では、通常時はカローラツーリングが392L、レヴォーグが522L、後席を倒した状態では、カローラツーリングが802L、レヴォーグが1446L(サブトランク40L含む)と、レヴォーグのほうが広い。
レヴォーグのほうがラゲッジ容量が広く、室内も広いが価格が1クラス上。低燃費やコストパフォーマンスの高さ、コネクティビティ、最新のプラットフォーム(TNGA)などに関しては、カローラツーリングのほうが上だ。総合的に見るとカローラツーリングの方が一歩先に行っている。
ただ、新型レヴォーグのプロトタイプが2019年10月25日から一般公開される東京モーターショーに出展されるので、大いに気になっている人も多いだろう。
インプレッサから採用が開始された新しいプラットフォーム、スバルグローバルプラットフォームを採用し、エンジンは水平対向4気筒の1.5Lターボと1.8Lターボとなり、ダウンサイジングターボを採用し、燃費効率を向上させる。
装備についてはアイサイトの進化にも注目したい。緊急自動ブレーキの機能と、運転支援機能の両方を向上させてくるだろう。
以上のように買い得感を強めたこともあり、カローラツーリングは好調に売れて、日本のワゴン市場を支える重要な車種になるのは間違いない。
新型レヴォーグのデビューは2020年夏頃に予定されているから、それまでは新型カローラツーリングが販売面で優位に立つと思われるが、新型レヴォーグのデビュー後は一騎打ちの様相になるだろう。
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