うどんのダシはどこから変わる? 高速道路で1日8杯食って[境界線]を調査したぞ!

■地域でコンセプトがまったく違う新発見!!

宝塚北SA「めん処つる庵」のかけうどん
宝塚北SA「めん処つる庵」のかけうどん

 次は京都・関西圏のSA/PAに寄りたいところだが、すでに4食完食しておりお腹がいっぱい。次が決めにくく悩みながら走っていると、新名神の宝塚SAに到着した。

 かけうどんを注文したらなんと衝撃! まさかのたぬきうどんが出てきた。揚げ玉が載っている場合、関東では「たぬきうどん」と呼ばれることが多いからである。

 調べてみると、たぬきうどんは関東と関西、さらに京都では定義が違う模様。関東では揚げ玉が載っているのがたぬきうどん、関西ではハイカラうどんと言うらしい。さらに京都では、油揚げを細切りにしたものをたぬきうどんと呼んでいるようだ。ちなみに油揚げが載ったきつねうどんは、どの地域でもきつねうどん共通の認識である。

 出汁は透明系かと思いきや、意外にも茶色い。関西風の出汁風味に加えて醤油の風味も感じられる。うどんの麺は柔らかく食べやすい。芯はしっかりしており、周りは少し柔らかめだった。揚げ玉の油が出汁に溶け出しており、少しコクが出てくるようにも感じられた。イメージしていた出汁風味&色薄めのうどんとかは違うのかもしれない。

 岡山県ではお腹がいっぱいすぎて食べられず、一気に広島県の宮島SAまで移動。中国地方を代表してもらうのは、宮島SAのきつねうどんだ。

 ここでは一気に薄いスープに様変わりしており、すっきり淡麗風味の色合いになった。昆布系の出汁が効いたスープである。富士川SA以来の関西風すっきりうどんに出会えた感じだ。麺は関東人からするとだいぶ柔らかく、きつねのお揚げは甘い煮付けで美味しかった。

 さて本州最後は、山口県下関の壇ノ浦PAに寄った。目の前は九州なので、西日本系なのか九州系なのかが気になるところである。

 出てきたかけうどんは出汁風味の関西系に近いものの、色味がしっかりしている。関東の濃口醤油、関西の薄口醤油とも違う味わいだ。麺は他SAのうどんと比べると少し細く丸みを帯びており、喉越しが感じられた。九州を前に、新食感のうどんに出会うことができた。

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■九州でも新味に出会っちゃった!!

基山PA「つつじ庵」のかけうどん
基山PA「つつじ庵」のかけうどん

 さて九州へ突入。選んだ場所は九州道の基山PAだ。注文したかけうどんはかなりすっきりした色合い。関東ではかつお節と濃口醤油、関西では昆布系の出汁に薄口醤油という組み合わせが定説だが、基山ではだいぶ魚を感じる味わいだ。麺は九州特有の柔らかさが前面に出ている。九州のうどんはコシがなく、ぬるぬると食べられる。これまた違った味わいが楽しめた。

 そんなわけで、港北・足柄・富士川・刈谷・宝塚北・宮島・壇ノ浦・基山の8カ所巡った。結果東西を分けたのは富士川SAで、それ以降は関西風の昆布系出汁テイストがベースになっているようだ。ぜひとも皆さんの舌で味わってほしい。

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■ひと足先に九州ローカルチェーンを食す

九州のソウルフード「資さんうどん」のゴボ天うどん・ミニカツ丼セット
九州のソウルフード「資さんうどん」のゴボ天うどん・ミニカツ丼セット

 おまけで、関東への進出が噂される九州うどんチェーン店の資さんうどんにも入ってみた。ここではゴボ天うどん・ミニカツ丼セット、おはぎ付きという定番メニューを頼んだが、こちらもすっきりな味わい。麺も柔らかめで、しかしゴボ天のしっかりとした歯ごたえと油で、うまく合わさっているのが分かる。

 やはり各地にある名物うどんは、素うどんにその地域特有の具材を合わせることで完成するのかもしれない。しかし1時間〜最長3時間の間隔で1食、1食しっかり食べるのはかなりシンドイ。運転だけでは消化しにくいので、無理のない範囲で食べ歩きを!!

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