東京モーターショー2019でマツダはマツダにとって初の量産EVとなるMX-30を世界初公開。このクルマで最大の驚きはフリースタイルドアを採用していた点だ。
フリースタイルドアは観音開きドアのマツダ流の名称で、リアドアが後ろヒンジで前方から開く。
実は観音開きドアは2018年にトヨタFJクルーザーが生産中止となり日本車から姿を消し、今後登場の可能性が低いため絶滅したと思われていた。
MX-30の復活となった観音開きドアだが、2000年にトヨタオリジンで採用して以降に登場した新しい観音開きの日本車を紹介しつつ、なぜ廃れてきたのかの理由も考察していく。
文:ベストカーWeb編集部/MAZDA、TOYOTA、HONDA、GM、Rolls-Royce、BMW
トヨタオリジン
販売開始:2000年(1000台限定)
2000年にトヨタの国内累計生産台数1億台を記念して1000台の限定で販売された。エクステリアは観音クラウンの愛称もあった初代クラウンをオマージュしていて、観音開きドアを採用して話題になった。
ベースとなったのは小さな高級車としてトヨタが世に送り出したプログレだったが、センチュリーの生産に携わる熟練工が匠の業で作り上げた。
長らく日本車では採用されていなかった観音開きドアの火付け役でもある。オリジンの観音開きドアは、前席の開閉に関係なく独立して開閉できたのが最大の特徴だ。
トヨタbBオープンデッキ
販売期間:2001~2003年
トヨタが2000年に投入したブランニューカーの bB はヴィッツをベースにちょっと背の高い、かつて日本で一世風靡したシボレーアストロを彷彿とさせるエクステリアデザインで登場して大ヒットモデルとなった。
トヨタは当時から若者のクルマ離れの対策をアレコレ打ってきたがbBもその一環として企画されたこともあり、ノーマルbBにはない遊び感覚満載という新たな魅力を付加したbBオープンデッキを追加。
このbBオープンデッキは、乗車定員はノーマルbBと同じ5人を確保しつつ、ラゲッジ部分をデッキとすることでミニピックアップに仕立てていた。トヨタはそれで毛では飽き足らず、ノーマルbBとは違う観音開きドアを採用。
見ているだけで楽しくなるbBオープンデッキは、ノーマルbBがフロントにベンチシートを採用していたのに対し独立タイプとなっていたことで、ウォークスルーが可能になるというノーマルにはない魅力が付加されていた。
しかし問題は室内スペースで、デッキ部を作るために室内長が230mm短くなったことで後席の快適性が大きく損なわれてしまった。
bBオープンデッキのリアドアはフロントドアを開けないと開閉できないタイプで、乗る時はまだいいにしても後席から出る時はフロントドアを開く必要があったのが不評だった。
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