タントは初代に比べて燃費は1.7倍!!
以前の軽自動車と現行型を比べたらどうなるか。現行タントXの価格は前述の149万500円で、消費税を除いた本体価格は135万5000円だ(消費税を除くと、意外に割高感が薄れる)。
いっぽう、2003年に発売された初代タントXは、同様の消費税抜き価格が113万円であった。現行タントは、初代に比べて22万5000円高い。仮に両車とも消費税10%で買ったとすれば差額は24万7500円だ。
そこで初代と現行タントで機能の違いを比べる。全長/全幅/全高の数値はほぼ同じだ。
ノーマルエンジンの動力性能は、初代の最高出力が58馬力(7600回転)、最大トルクは6.5kg-m(4000回転)であった。現行型は52馬力(6900回転)・6.1kgm(3600回転)だから、現行型の数値が下がっている。初代のほうがパワフルだった。
その代わり現行型は環境/燃費性能が大幅に向上した。初代タントの10・15モード燃費は、ノーマルエンジンが18.0km/Lだったが、現行型はWLTCモードが21.2km/L、JC08モードは27.2km/Lだ。
初代の10・15モードをJC08モードに置き換えると16,0km/L前後だから、単純にいえば、現行型の燃費数値は初代の1.7倍に向上した。この価格換算は難しいが、22万5000円の価格上昇に含まれる。
標準装備の充実で高額化
次は装備を比べる。初代タントのドアは後席側も横開きだったが、現行型はスライド式で、タントXの左側には電動開閉機能も装着される(価格換算額は税抜きで5万円)。
このほか現行型には、緊急自動ブレーキのスマートアシスト(8万円)、サイド&カーテンエアバッグ(6万円)、横滑り防止装置(2万円)、LEDヘッドランプ&クリアランスランプ(4万円)、TFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ(2万円)、キーフリーシステム&プッシュボタンスタート(3万円)、USBソケット(1万円)、リアドアサンシェード(1万円)、UV&IRカットガラス(2万円)、寒冷地仕様(1万円)がプラスされる。
これらの金額を合計すると35万円だ。価格上昇分が22万5000円だから、現行型には値上げされた以上の装備が加わっている。
別の表現をすると、上記の安全&快適装備がすべてオプションであれば、現行タントXの税抜き価格は35万円安い100万5000円、消費税10%を加えて115万5000円という金額に落ち着く。
つまり今の軽自動車は、緊急自動ブレーキ、サイド&カーテンエアバッグ、LEDヘッドランプなどの安全装備が標準装着され(これはもちろん歓迎すべきことだ)、スライドドアの電動機能やプッシュボタンスタートなどの快適装備も加わる。この金額に10%の消費税も加算されるから、ますます価格が高まるわけだ。
コメント
コメントの使い方今でも、100万円で買える軽もある。コンパクトカーと軽の価格が同じでは、軽の存在価値があるのか?軽の規格のためにトルクを上げるためにターボ化した結果燃費を悪くしている矛盾を生んで、コンパクトカーと価格が同じで意味あるのか?価格高騰の理由は、メーカの理屈、軽は誰でも買える庶民のインフラであり、絶対的低価格が存在価値であるはず。150万円を越える軽はコンパクトカーに分類すべき。