人気のエアロパーツ、ターボも高額化の一因
またカスタムなどのエアロパーツを装着したグレードが増えて、高価格のイメージをさらに強めていることも挙げられる。現行タントの消費税10%を含めた価格は、標準ボディXが149万500円、カスタムRSは178万2000円だ(駆動方式は2WD)。価格を比べるとカスタムRSが29万1500円高い。
この内訳はターボエンジン(税込みの価格換算額は8万円)、エアロパーツ(8万円)、LEDイルミネーション(2万円)、右側スライドドアの電動機能(5万5000円)、車内のメッキパーツ(5000円)、15インチアルミホイール(5万円)といったところだ。合計29万円だから、標準ボディXとの価格差になる29万1500円とほぼ合致する。
中高年と若年層の感覚の差
ただしターボエンジン、エアロパーツ、アルミホイールなどは、すべてのユーザーが欲しがる機能や装備ではない。そのためにタントカスタムRSの価格が178万2000円と聞けば「軽自動車なのにコンパクトミニバンのトヨタシエンタX(185万200円)に比べて割高」という具合に受け取られる。
そして軽自動車の価格が割高だと感じるのは、概して中高年齢層が多い。軽自動車の安全&快適装備の水準が低く、低価格が一番のセールスポイントだった時代の感覚が残っているから、今の価格が割高に思えるのだ。
いっぽう若い人たちは、「小さな商品は低価格で、大きくなると価格も高まる」というサイズを主体にした昔風のヒエラルキーが乏しい。
デスクトップと同等の性能を備えたノートパソコン、あるいはパソコンと同じように使えるスマートフォンなど、小さくても高機能で、価格も相応に高いアイテムが増えた影響もあるだろう。
また幼い頃から背の高いスライドドアを備えたミニバンに親しんで育ったから、ほぼ同じ形状でサイズの小さなN-BOXやタントにも馴染みやすい。このようなミニバン世代が増えて、18万0~200万円クラスの軽自動車に対する抵抗感が薄れてきた。
不当に高額化したわけではない
特に安全装備は、価格の上昇以上に充実している。ホンダN-WGNが搭載するホンダセンシングは、自転車も検知して緊急自動ブレーキを作動させる。この機能は、高級車のレジェンドやオデッセイはまだ採用していない。
昔なら先進装備は大きくて価格の高い車種から採用を開始したが、今は違う。軽自動車は混雑した街中を走る機会が多く、自転車と衝突する危険性も高いから、ホンダセンシングの自転車検知機能もN-WGNから採用されている。
このような経緯もあり、今は軽自動車が売れ筋カテゴリーで、新車として売られるクルマの37%前後を占める。グレードの数も増えた。皆さんが軽自動車を買う時には、エンジンや各種の装備を精査して、安全でムダのない買い方をしていただきたい。
コメント
コメントの使い方今でも、100万円で買える軽もある。コンパクトカーと軽の価格が同じでは、軽の存在価値があるのか?軽の規格のためにトルクを上げるためにターボ化した結果燃費を悪くしている矛盾を生んで、コンパクトカーと価格が同じで意味あるのか?価格高騰の理由は、メーカの理屈、軽は誰でも買える庶民のインフラであり、絶対的低価格が存在価値であるはず。150万円を越える軽はコンパクトカーに分類すべき。