運転中に「あのクルマわかっているな」と思う仕草や運転を目撃したことはきっと誰でもあるはず。昔なら先輩や父親から聞くクルマにまつわるテクニックの数々を、今回BCでは各界の達人たちに聞いてみました。
クルマ好きならもっとかっこよくクルマに乗ってみませんか? 老若男女問わず、すぐに実践できるテクニックの数々をまとめてみました。
文:ベストカー編集部/写真:西尾タクト、WEBベストカー編集部
ベストカー2015年12月26日号
商談ではこうやって値引け!!
ディーラー訪問の達人である、弊誌連載「地獄耳スクープ」でもおなじみの遠藤徹氏に聞いてみた。
「ディーラーマンは各自毎月のノルマが決まっている。なので毎月下旬になるとノルマが達成できるかどうかドキドキしているワケです」。そこではこんなひと言を。
「今月の販売ノルマ達成具合はどうなの?」
これでだいたいのディーラーマンはオチる。営業実績が必要なディーラーマンにとって、ノルマの心配をして寄り添いながらも「君たちの懐具合は知ってるぜ」という強気な姿勢は手強い客だ。さらに達人は商談に最適な時期も知らないといけない。
「週末のフェアが時たまありますがそれも商談には大チャンスなのです。というのも週末フェアには決裁権のある店長が必ず店舗にいます。それをこちらが知っている姿勢を表わすことも大きいのです」。そこで一言。
「今日はフェアだから決裁権のある店長さん、お店にいるよね? 値引きをかなり期待してお店に来ているんだけど」
もうこのひと言だけで営業さんは震えあがること間違いなし。ただあくまで紳士的に。あまり偉そうにズカズカやると嫌な客になること間違いなし。
ドライブの腕は速さよりマナーで示そう!?
運転中、とくに助手席に女の子を乗せた時にできるとかっこいいテクニックをご紹介。まずは右折時の「ツウ」テクニック。これは安全にも関わる大事なテクニックなのでぜひ実践してほしい。
「右折時にタイヤの向きを真っ直ぐ直進の状態で止まる」
右折時に右にハンドルを切って待機していると、追突された時に対向車線にはみ出して大惨事の可能性が大きい。念には念をで覚えておくといい安全のための達人テクニックだ。
つぎは都市部でかなり役立つテクニック。
都市部でドライバーが神経をとがらせないといけないのがタクシー。流しのタクシーはとにかくお客さん探しに必死。お客さんを見つけたらウィンカーもなしで、急ブレーキ、急ハンドルで止まるタクシーが実に多い。そんな時はこのテクニック。
「空車タクシーを見たらいつにも増して車間をとる」
夜間の流しのタクシーはお客さんの視認率が低くこの急ブレーキ率も上がる。行灯のランプが点いていたら「空車」なので気をつけるべし。最後にMT車に乗る際のテクニック。
「歩行者用信号を見ながらシフトダウン」
自動車用信号が変わる前に歩行者用信号で信号が変わるタイミングを予期。MT車の運転がギクシャクせず、きっと楽しさも快適度も上がるはず。
クルマを降りた後も達人は怠けない
クルマに乗った後はメンテナンスが大事。ということでメンテナンスのプロにいろいろと「ツウ」なこと聞きました。今回はベストカーがお世話になっているガソリンスタンド、オブリプラーザ早稲田が伝授してくれたツウなふるまいだ。
「我々もクルマが好きなのでお客様がクルマを愛しているのか、それとも移動手段と考えているのかはすぐわかります」。やはり何気なく乗っていてもクルマを大切にしているかはすぐにじみ出るそうだ。達人らしい動作を聞いてみた。
「スタンドの入り口で給油口のフタを開ける」
給油口がどちらにあるかはいくらクルマ好きのスタンド店員でも迷うところ。スタンドに入ったらすぐ開けておくと給油スタッフにも気を使えるはずだ。見えないところをキレイにしているクルマも尊敬するという。
「ダッシュボードとかもそうですが、お釣りを渡す時などドアを開けた際にステップがピカピカだと目がいきますね」。
手が届きにくい場所こそキレイに。これは家の掃除も同じ? では編集部からも「ツウ」なメンテナンステクニックを何点か。タクシー運転手秘伝の雨天時のテクニック。
「雨で濡れたボディをぬれ雑巾でひと拭き」
実にワイルド。もちろん繊細なボディのクルマには推奨できないが、ワイルドに使うクルマならぜひ試してみてもらいたい。意外なほどホコリなどの汚れがキレイにスルリと落ちるとのこと。お次もお掃除のテクニック。
「クルマの窓は濡れ新聞紙で拭けば簡単にピカピカ」
これは家庭用のガラス掃除のテクニックから派生したもの。
しかし、新聞紙にはインクの油分が含まれていて、クルマのフロントウィンドウへの使用はくもりなどの原因になるので避けたほうが無難。じつはウーロン茶でも薄い油膜ならば簡単に除去できるので雨の日に気になった方はお試しあれ。
達人はクルマ界のウンチクも知っておくべし
達人ならこんなこと知っているべきという知識、そして誰でも達人っぽくなれる気取れる仕草を集めてみた。まずはこれ。
豊田を「トヨダ」と読む
トヨタ創業者の豊田左吉は「トヨダサキチ」と読むのだ。ひ孫で現在のトヨタ自動車社長の豊田章男氏も当然「トヨダアキオ」だ。濁点を取ることで画数が8画になり末広がりで縁起がいいことから社名は「トヨタ」になったそう。
ちなみにトヨタのお膝元である愛知県豊田市は「トヨタ」ってのも押さえると完璧。次はワインディングを走った後にしてみると「ツウ」な動作。
「前後のタイヤのトレッド面を手で触り何かを感じたようにうなずいたり首を傾げる」
これであなたも立派なタイヤマイスター。いいのです、雰囲気で。とにかく納得した表情ができれば完璧なのだ。最後にもうひとつ!!
「ボンネットを開けてフロントサスアッパーなどを見て、不意に何か感じたような難しい顔をしてクルマに乗り込む」
これをディーラー試乗でやったらそうとう怪しまれるか、タダ者じゃないと尊敬されるかの諸刃の剣なので要注意。雰囲気だけでも伝説のチューナーになれるはず。