大幅改良後のモデルは古くても魅力的
またノートは現行型の発売が2012年だから7年以上を経過した。それでも2016年に、ハイブリッドのe-POWERを加えて緊急自動ブレーキや運転支援機能も採用している。今でも古さはあまり感じない。
デリカD:5も選ぶ価値が高い。現行型の発売は2007年だから12年を経過するが、2019年にクリーンディーゼルターボ搭載車を大幅に改良した。フロントマスクが大きく変わり、ディーゼルエンジンの動力性能とクリーン性能、走行安定性、乗り心地、内装のデザインと質感まで、フルモデルチェンジと思わせるほど手を加えている。
ノートはe-POWER、デリカD:5は国産ミニバンで唯一のクリーンディーゼルターボという具合に、明確な個性を備えて安全装備を進化させた車種は古さを感じにくい。
左右非対称のボディを採用するポルテ&スペイドも、売れ行きは低調だが、2012年の発売ながら独特の魅力を備える。安全装備も充実させた。
綿密な改良という意味では、マツダが注目される。車種数とメカニズムの種類を抑えたので、新型車が新しい機能を採用すると、時間を置かず既存の車種も装着できるようになった。常にバージョンアップしているから、発売から時間を経過しても機能が古くなりにくい。
マツダ6(旧アテンザ)は2012年、マツダ2(旧デミオ)も2014年に発売されたが、大幅な改良を受けていて装備は設計の新しいマツダ車と比べてほとんど見劣りしない。
古くても魅力的なモデルは買い
カテゴリー別の傾向もある。スポーツカーやオフロードSUVは、全般的に販売台数が少ないので、フルモデルチェンジを行う周期が長い。そのためにモデル末期ではなくても、発売から長い期間を経過した車種が増えて、頻繁に改良を施すケースも多い。
例えばGT-Rの発売は2007年だから、デリカD:5と同じで12年を経過する。それでもほぼ毎年改良を行い、動力性能、走行安定性、乗り心地、操舵感、ノイズ、振動などを進化させてきた。緊急自動ブレーキの非装着を除けば、今でも古さを感じない。走行性能は依然として国産スポーツカーの最高峰だ。
オフロードSUVのランドクルーザーは2007年、ランドクルーザープラドも2009年の登場だが、これも古さを感じない。パジェロは国内販売を終えて、今では後輪駆動をベースにしたオフロードSUVが、この2車種とレクサスLX、ジムニー&シエラのみになったこともある。
ランドクルーザーとプラドの悪路走破力は、GT-Rのスポーツ性能と同様、今でも十分に高い。歩行者を検知できる緊急自動ブレーキの採用など、安全装備も進化させた。比較されるライバル車が存在しないこともあり、今でも選ぶ価値が高い。
ヴィッツ買うなら断然ヤリス
これまで紹介した車種を除くと、設計の古いモデル末期車は選ぶ価値が低い。
2010年に発売されたヴィッツを買うなら、後継車種のヤリスがいい。ヤリスでは後席と荷室がヴィッツよりも狭まるから注意を要するが、プラットフォームやエンジンを刷新して走行性能と乗り心地を向上させ、内装の質も高まる。
ヤリスにはアイドリングストップが装着されないが、1.5Lモデルの燃費は向上する。車間距離を自動制御できるクルーズコントロールの採用など、ヴィッツよりも商品力は高い。
2014年に発売されたデイズルークスとeKスペースも同様だ。現行型はノーマルエンジンの動力性能が低いが、次期型はデイズ&eKシリーズと同じエンジンが搭載されて不満を解消する。運転支援機能のプロパイロットも用意する。
東京モーターショーの三菱ブースには、次期型になるeKスペースクロスのプロトタイプが出展され、市販版もこのデザインになる。モデル末期の現行型は避けて、次期型を待ちたい。
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