ホンダエディックス:2004年7~2009年8月
■中古車平均価格:約25万円
ホンダエディックスは、2004年7月から2009年8月までの約5年間、1代限り販売された「3人掛けシート✕2列」のミニバンというのかピープルムーバーというのか、とにかくそういったクルマです。ベースとなったのは同時期のホンダシビックでした。
計6座のシートはすべて独立式で、前後の中央をスライド式とした「V字シートレイアウト」を採用。中央のシートは運転席・助手席より10mm後ろに設定されていて、そこからさらに270mm(後席は170mm)スライドできる仕組みになっています。
搭載されたエンジンは2タイプで、最高出力130psの1.7L VTECと同156psの2L VTEC。前者は同時期のシビックから、後者は同時期のストリームから持ってきたものです。
新車時価格は178.5万~220.5万円だったエディックスですが、2019年11月半ば現在の最安中古車はなんと「9000円」で、平均価格も約25万円と爆安。走行数千kmのフル装備物件でも80万円ぐらいで買えてしまうというのがホンダエディックスの現在地です。
決して悪い車だとは思いませんが、エディックスの相場が今後上昇に転じることはまずないでしょう。結局、「わざわざ仲良く3人並んで座りたい」と考える人は少なかった……ということに尽きると思われます。
特徴的な「3人×2列」シートは、「3人がけのシートが2列」ではなく「3席×2列」であることがポイントです。
ダイハツネイキッド:1999年11~2004年4月
■中古車平均価格:約22万円
ムーヴやワゴンRなどのトールワゴンが全盛となっていた1990年代末の軽自動車界に、背の高さではなく「デザイン性」を武器に殴り込んだ軽自動車。それがダイハツ ネイキッドでした。
ベースとなったのは1997年の東京モーターショーに参考出品された「ネイキッドX070」。市販予定はなかったそうなのですが、プレスや来場者からあまりにも好評だったため、細部を微調整したうえで1999年11月に発売となったのです。
ネイキッド(NAKED=全裸)という車名が表すとおりの「むき出しの素材感」が最大の特徴で、バンパーとフロントグリルはあえて外側から丸見えのボルト止めを採用。ドアパネルもあえて平板で直線的なものを使っているため、まさに「鉄板」という感じで非常におしゃれな軽自動車でした。
しかし車好きやデザイン好きにはウケたネイキッドでしたが、お茶の間層にはあまり刺さらなかったようで、2004年には1代限りで販売終了となってしまいました。
新車時価格91.9万~153万円だったネイキッドの現在の中古車価格は、最安はなんと「2万円」ですが、平均価格は約22万円。最高値が約80万円で、ボリュームゾーンはおおむね50万円前後といったところです。
「平均価格」で物事を見るのであれば、ネイキッドの中古車価格は時間の経過とともにじりじり下がっていくでしょう。
しかし良コンディションな低走行物件や、かなりのお金と手間をかけて整備やカスタマイズが施された個体に関しては「現状キープ」と予想します。時がたっても相場が下がらないだけの価値と個性が、この軽自動車には今なお存在している……と考えるからです。
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