VWのLクラス高級ミニバンT6
さて、異色ではあるが、先に紹介したメルセデスベンツのVクラスに続き、同じドイツにも多人数乗車の好敵手がいる。VWのT6だ。
日本では正規で輸入されていないものの、一部の並行輸入業者が導入している。乗用車というよりは商用に近いモデルで、VWの質実剛健なイメージそのものである。ルーフにポップアップルーフ(ルーフベッド内蔵)と車内にキッチンを備えたキャンピング仕様の「カリフォルニア・オーシャン」もあるが、3列シートで定員乗車7人の「カラベル」を取り上げた。
ボディサイズや価格は以下の通りだ。
■VW T6概要
●ボディサイズ:全長4904×全幅1904×全高1990mm
●エンジン:2L、直4ターボ:最大出力:150ps仕様/204ps仕様。2L、直4ディーゼルターボ・最大出力:150ps仕様/204ps仕様(イギリス仕様車)
●主な装備:クルーズコントロール、衝突防止自動ブレーキ、電子制御ダンパー、サブバッテリー(メインバッテリーとは別に車中泊用に使うバッテリー)など
●価格:1100万円(車両価格)
取材協力:こだわり輸入車のコアカーズ YMワークス
大阪に本社を置く並行・逆輸入モデルに強いYMワークスによれば、「T6はトランスポーターという位置づけだが、上級の乗用モデルはカラベルという名称が与えられており、充実した装備で高級車と呼んでも差し支えないレベル」だという。
さて、このT6だが、マイナーチェンジ版とされるT7がまもなく発表されるという噂がある、しかし、YMワークスによると「まだ全然情報が入ってこない。日本にはまだまだ先の話だろう」とのことだ。
まとめ
というわけで、グランエースのライバルとなるモデルを挙げてみたのだが、レクサスLM以外は7名乗車を可能としている。
乗車定員をマストとするならば、室内の質感や先進装備などと比べてもやはり、最大のライバルはベンツVクラスだろう。
しかし、リムジンに匹敵する格別な雰囲気を堪能したいならばレクサスLMを味わってみたい……気もする。VWのT6は人とは違う個性を求めるならお薦めではある。
こうして、グランエース、レクサスLM、ベンツVクラス、VW T6を見てきたが、やはり高級Lクラスミニバンに必須の豪華さ、居住性、質感、先進装備などを総合的に考えると、グランエースの最終ライバル車はレクサスLMになるだろう。
しかし、価格は2000万円と予想され、価格が高すぎるうえに乗車人数が4名では実用上不便というユーザーも多い。現時点ではグランエースが、世界の高級Lクラスミニバンの王者といってもいいだろう。
日本向け次期ハイエースはどうなった?
ところで最後に気になるのが話題をひとつ、商用車のハイエースだ。グランエースのベースとなるモデルであり、海外向けはひと足先にモデルチェンジをしたが、日本への導入は2019年11月20日現在未定となっている。
もし仮に発売されても取り回しはもちろん、普段の仕事での使い勝手を考えると、あのボディサイズでは躊躇してしまうだろう。
しかし、一方ではその大きさを快適な居住空間と捉えることもできる。それがバンをコンバージョンしたキャンピングカーでのニーズだ。
ところが……キャンピングカーを製作するビルダー数社に聞いてみたのだが「ボディサイズは問題ないが、それよりも鼻先が長くなって見切りが気になるのと、ラゲッジスペースが小さくなったのが気になるので今は様子を見たい」と、異口同音にコメント。ビルダーたちにとっても、スタイルや荷室サイズに戸惑いを感じているようだ。
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