ホンダの青山本社ビルが建て替えのため3月31日をもって休館する。1Fはホンダウェルカムプラザとして、多くの人が訪れていたが、本社ビルの魅力はそれだけじゃない!! なんと普段は入ることができない秘密エリアに特別潜入!! ビル全体がホンダらしさに溢れていましたとさ!!
文:ベストカーWeb編集部 鈴村朋己/写真:ホンダ、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】樽デカすぎだろ!! ホンダ青山本社ビルの細部をドドンと大公開!!(34枚)画像ギャラリーホンダ青山本社ビルが40年の歴史に幕
1985年。シビックの大ヒットをはじめ、国産自動車メーカーとして勢いをつけ始めたホンダは、本社として機能の充実化と効率化を図るために、東京・南青山に自社ビルを構えた。
ホンダ青山本社ビルのコンセプトは、誰もがサッと立ち寄れるアットホームな空間。変に着飾ることをせず、支えてくれている地域にもしっかりと寄り添いたい。全体のテーマは安全ファースト。
これらはすべて、すでに経営陣から身を引いていた創業者「本田宗一郎」の強い意思である。クルマ作りの姿勢と同様、本社ビルにも強いこだわりが詰まっていたのである。
実際ウェルカムプラザと呼ばれている1Fは、企画展やショー、カフェスペースが設けられており、平日休日を問わず多くの人が訪れる憩いの場となっていた。本田宗一郎氏の想いが、多くの人に届けられたのだ。
ところが青山本社ビルは2025年3月31日をもって休館、業務も5月で終了することに。理由は建て替えで、2030年にリニューアルする予定。40年の歴史に一旦の区切りをつけることになった。
そこで青山本社ビルでは2月23日 (日)に、建築史家の倉方俊輔氏が先生となって、ホンダが青山本社ビルに込めた想いを解説しながら、普段は入ることが許されていない秘密エリアに潜入できる、建築ツアーを開催する。
2月9日(日)まで、ホンダ公式ホームページ申込みを受け付けているので、興味のある人は要チェック。今回、ひと足先にツアーへ参加する機会に恵まれたのだが、あっと驚く内容ばかりだった。
【画像ギャラリー】樽デカすぎだろ!! ホンダ青山本社ビルの細部をドドンと大公開!!(34枚)画像ギャラリー本田宗一郎の安全思想に涙
まずはエレベーターで地下3Fまで下った。するといきなり、巨大な樽が目の前に出現。しかも2機もある。樽の素材はカナダ産のヒバで、重さはひとつあたり35t。1985年からずっとそのままの状態だという。なぜ、自動車会社の本社ビルに樽があるのだろうか。
理由は大きくふたつ。ひとつ目は本田宗一郎氏が、ウェルカムプラザを訪れた人へのおもてなしとして、無料でおいしい飲め水を提供するためである。
樽で寝かされたことでまろやかさと甘味がアップした水は、カフェスペースで「宗一郎の水」として提供が行われている。
もうひとつは、災害などの万が一に備えて、貯蓄しておくため。本社で働く従業員だけでなく、地域に住む方たちにも供給が可能。まさに、命の水なのだ。
このフィロソフィーは、地下2Fの非常食や防災グッズをストックする備蓄庫も同様。現代ではビルを建設する際にストックヤードを設けることが義務付けられているが、1985年当時は地震も少なく、義務化もなかった。
そのほか、4Fに設置されているバルコニーも安全思想の一環。地震の際にはガラスの落下から地上の人を守り、火災時には上部への延焼を防ぐ働きも。避難経路にも繋がっているので、窓ガラス掃除にも有効活用されているという。
さらに、避難階段は3隅に配置。2方向以上の避難路を確保することで、パニックになりやすい地震発生時も安全に避難できるように工夫されているのだ。
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