セリカのCMキャッチコピー「名ばかりのGT達は、道をあける」で喧嘩を売ったトヨタ!! 日産はどう反撃したのか?

セリカのCMキャッチコピー「名ばかりのGT達は、道をあける」で喧嘩を売ったトヨタ!! 日産はどう反撃したのか?

 令和のこの世に復活することがほぼ確実なトヨタGRセリカ。まだ正式発表こそないものの、豊田章男会長と佐藤恒治社長が「どうしても復活させたい」と心から望んでいるモデルである。今回はそんなセリカの歴史を振り返り、記憶に残る1ページを取り上げたい。

文:ベストカーWeb編集部/写真:トヨタ、日産、ベストカーWeb

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「名ばかりのGT達は、道をあける」の挑発を、スカイラインの開発責任者は激怒!?

1977年に登場した2代目 前期 A40型セリカクーペ 「2000GT」
1977年に登場した2代目 前期 A40型セリカクーペ 「2000GT」

 1970年代後半、日本のスポーツカーシーンではトヨタと日産という2大自動車メーカーがしのぎを削っていた。1977年に登場した5代目スカイライン(通称スカイラインジャパン)は、直列6気筒SOHCエンジンを搭載し、スカイライン伝統の走りを受け継いでいた。

 一方で同時期に刷新された2代目セリカは、ツインカム(DOHC)エンジンを武器に登場した。そんななか、1979年9月のセリカのマイナーチェンジに合わせて、トヨタは広告キャッチコピーとして「名ばかりのGT達は、道をあける」「ツインカムを語らずに真のGTは語れない」を打ち出した。

ツインカムエンジンを搭載して登場した2代目セリカ。この挑発的なキャッチコピーは世間をあっと言わせた
ツインカムエンジンを搭載して登場した2代目セリカ。この挑発的なキャッチコピーは世間をあっと言わせた

 この挑発的なコピーは、DOHCを搭載しないスカイラインを暗に批判するものであり、ライバルを名指しする刺激的な表現として話題をさらった。

 この挑発に日産が無反応でいるはずもなく、1980年代にスカイラインの開発責任者だった櫻井眞一郎さんに、このコピーを見た時どう思ったか聞いたことがあるが、「最初見た時は頭に血が上って怒り心頭でしたが、後々、あのセリカは売れなかったのでたいして影響は受けませんでした」と語ったのを鮮明に覚えている。

 スカイライン「ジャパン」はDOHCエンジンこそラインアップしていないが、走りのトータル性能はライバルを相手にしない。直6エンジンは直4のDOHCエンジンより上質なパワーフィーリングで、5速MTのシフトフィールも秀逸である。ハンドリングとフットワークも一級の実力だ。

1977年に登場したC210型5代目スカイラインジャパン 2000GT-EX
1977年に登場したC210型5代目スカイラインジャパン 2000GT-EX

 スカイライン「ジャパン」は排ガス対策が強化されただけでなく、コスト低減も叫ばれている時代に開発され、多くの難問を解決しながら登場してきている。そのためスポーティ感覚は薄いように思われ、「名ばかりのGT」呼ばわりされた。

 だが、GTとしての実力は高く、運転して楽しいだけでなく長距離を走っても疲れは少なかった。安全性に関しても最先端をいっていた。販売台数だって後に名車と言われたR30やR32よりはるかに多いのだ。もっと高く評価されて然るべき名車の1台と言えるだろう。

1980年4月、待望のターボエンジン搭載車がデビュー
1980年4月、待望のターボエンジン搭載車がデビュー

 そして1980年4月、ギャレット製のT03タービンを装着したL20ET型ターボエンジンを投入して反撃に出た。そのパワーは145ps/21.0kgmと、セリカのDOHCモデルを凌駕する性能を発揮した。

 この「ジャパン」ターボは5速MTに加え、3速ATを設定して高性能ターボATの先駆けとなっている。バンパーの左側に逆文字で書かれた「TURBO」のロゴが粋だ。これは先行車両のミラーに映った時に判読できるようにしたものだ。

 日産はこの新型スカイラインの広告で「今、スカイラインを追うものは誰か」と応酬。このコピーは、トヨタに対して意地と誇りをかけて反撃したメッセージとして受け止められた。

その後も続くCMキャッチコピーの応酬

1981年10月に登場したスカイラインRS
1981年10月に登場したスカイラインRS

 両社の火花散る広告合戦はこれで終わらなかった。1981年10月、日産は4バルブDOHCエンジンを搭載したスカイライン2000RSを投入し、「4バルブなくしてはDOHCは語れない」という刺激的なコピーで再びトヨタに挑戦した。

 この宣言的コピーは、DOHCの真価を追求する日産の意気込みを示すと同時に、トヨタのツインカム推しへの正面からの回答でもあった。

国産初となるツインカムターボエンジンを積んだセリカ1800GT-T
国産初となるツインカムターボエンジンを積んだセリカ1800GT-T

 さらに1982年9月にはトヨタがセリカGT-Tに日本初のツインカムターボエンジンを搭載して市場に投入。このタイミングでの広告も、DOHCへのこだわりと走りの進化をアピールする一撃となった。

 日産もこれに負けじと、1983年にはFJ20E型にターボを装着した2000ターボRSを、続く1984年にはインタークーラー付きの2000ターボRS/RS-XターボCを発表し、スペックとキャッチコピーの両面で激しい競争を続けた。

1983年2月、FJ20E型にターボチャージャーを追加したFJ20ET型を搭載した2000ターボRSを追加。「史上最強のスカイライン」というCMキャッチコピーが用いられた
1983年2月、FJ20E型にターボチャージャーを追加したFJ20ET型を搭載した2000ターボRSを追加。「史上最強のスカイライン」というCMキャッチコピーが用いられた

 この頃の広告コピーは走りの性能だけでなく、技術的優位性やメーカーのプライドをも訴求するものが多く、クルマ好きにとっては一語一句が時代を象徴するフレーズとして記憶されている。

 ちなみに2000ターボRS登場時のキャッチコピーは「史上最強のスカイライン」ある。これ以上の自画自賛はないだろう。

 私が記憶しているだけでも、「愛のスカイライン」、「ケンとメリーのスカイライン」、日本の風土が生んだ名車「SKYLINE JAPAN」、「超感覚スカイライン」、「ボディは力だ」、「マイナス21秒ロマン」、「人に翼を」、「新次元のマルチパフォーマンス・スーパーカー」という、スカイライン、スカイラインGT-R、R35GT-Rのキャッチコピーを覚えている。

次ページは : 真似されたストリームのCMが話題をさらった

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