【イスト、ラクティス…】初代から2代目と消滅へのトリガーを引いたクルマ

トヨタラクティス

販売期間:2005~2010年(初代)、2010~2016年(2代目)

大ヒットしたファンカーゴの後継モデルとしてデビューした初代ラクティス。奇をてらわないシンプルなデザインが好評で、走りもファンカーゴより洗練された

 初代は大ヒットしたファンカーゴの後継モデルとして2005年にデビュー。ファンカーゴからの進化は多岐にわたり、室内スペースはもちろんのこと、豊富なシートアレンジなどのユーティリティに加え、軽快な走りにこだわった点が大きく違う点だ。

 ファンカーゴがゆるキャラ的なファニーなエクステリアだったのに対し、初代ラクティスはスポーティなイメージに仕上げられていて、ユーザーから好評だった。

 2代目はキープコンセプトで初代の正常進化モデルで、初代で指摘されていたリアの居住性などを大幅に改善して登場となった。スバルにトレジアとしてOEM供給も始めた。

初代からの正常進化となった2代目。クルマとしては初代よりも魅力アップしていたが、フィット、ノートを相手に苦戦が続き、そのまま消滅してしまった

 クルマとしては熟成され、内外装の質感も大幅アップして魅力的になったが、大きな壁が立ちはだかった。

 コンパクトカーで相変わらずの強さを発揮するホンダフィットにはかなわないまでも健闘していたが、2013年に日産ノートがフルモデルチェンジして魅力アップ。両モデルを敵に回し、ラクティスは苦境に陥ってしまった。

 結局ラクティスの消滅でこのカテゴリーからの一時退散となったトヨタだが、理由はどうであれ結果的にライバルに駆逐されるというのは珍しい。

 新型ヤリスをベースとしたハイトワゴン系モデルが追加されるのが確実視されているが、トヨタのリベンジなるかに注目だ。

ホンダストリーム

販売期間:2000~2006年(初代)、2006~2014年(2代目)

オデッセイより小さく扱いやすい5ナンバーサイズの乗用タイプミニバンとしてデビューし、使い勝手のよさもあり一気に人気に火が付いた初代ストリーム

 乗用タイプミニバンの雄、オデッセイの下に位置する5ナンバーサイズの手頃な大きさの乗用タイプミニバンとして2000年にデビューしたのがストリームだ。

 オデッセイよりも車高が低いため、より軽快なハンドリングはミニバンナンバーワンと言われるホンダらしさ満載で、販売も絶好調。

 まったく同じサイズで2001年にトヨタウィッシュが登場したのを受けて、2003年9月にマイナーチェンジを敢行。

 しかし、このマイチェンで雲行きが怪しくなった。

 オデッセイ譲りの走りに特化したアブソルートの新設定がマイチェンの最大のトピックだったが、標準モデルはほのぼの系の顔から、シャープな顔に変更、新設のアブソルートは超絶個性的な顔という好き嫌いがわかれる顔になった。

走りに特化したアブソルートだったが、写真を見てもわかるとおりかなり個性的で好き嫌いがわかれるフロントマスクが与えられていた。ホンダが迷走してる感がアリアリ

 残念ながら、嫌いのほうが多くなってしまい、フロントマスクの変更が仇となった。

 同じコンセプトのスッキリ系デザインのウィッシュの登場による販売の影響も当然あったが、ストリームの場合は自滅した感が否めない。

 2代目はストリームの存在感が薄くなった状態でのデビューとなったのに加え、ハイブリッドカーにユーザーの関心が移り、乗用タイプミニバン自体の人気が凋落していたというトレンドも痛手だった。

クルマの完成度としては初代を大きく凌駕した2代目だったが、乗用タイプミニバンの人気の凋落したのが痛かった。ハイブリッドが出ていれば……、と悔やまれる

 特に2代目はデビューした時から、初代を凌駕するホンダ車でナンバーワンのハンドリングと言われるクルマに仕上げられていたが、ユーザーのニーズはそこにはなかった。

 2010年には2列シート5人乗りのワゴン仕様を追加したが奏功せず、ストリームとオデッセイを統合したと言われているジェイドに引き継がれた。

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