3代目スズキジムニー
販売期間:20年(1998~2018年)
1970年に初代がデビューしたジムニーはモデルチェンジサイクルが長いクルマで、初代は11年、2代目は7年、そして今回り上げる3代目は20年となっている。
3代目は1998年の軽自動車の規格の改正に合わせて登場したから、それがなければ2代目は10年スパンで販売されていたはず。
3代目は初代、2代目で培ってきたジムニーのイメージを破ったモデルと言える。硬派なまでのオフロード性能は踏襲しているものの、丸みを帯びたエクステリアデザインはジムニー好きからは不評だった。
2000年にジムニーL、2002年にジムニーJSと二度2WD(FR)モデルを追加。ジムニー=4WDという常識も覆したが、すぐに4WDのみとなったように、販売のテコ入れのため迷走していた感は否めない。
しかし、スズキはジムニーの進化の手は緩めていなかった。日本車の場合、長く販売されているモデルは1~3型くらいのものだが、3代目ジムニーは10型まで存在。
長く作っているだけではなく確実に進化させていたのだ。既存のジムニーのイメージを打破したが、長く作っていたおかげで3代目も認知され安定人気となったのは不思議。
そのジムニーも先祖返りした現行の4代目が空前の大ヒット。いったんは3代目が認知されたが、やっぱりユーザーは初代、2代目の再来を望んでいたのですな。
トヨタランドクルーザー(70系)
販売期間:20年(1984~2004)
トヨタのヘビーデューティの4WDのビッグネームがランドクルーザーで、車名としては1954年以来65年も継続している日本車の最長車名だ。
70系は名車と誉れ高い40系の後継モデルとして1984年に登場。ランドクルーザーの系譜は少々複雑で、BJ・FJ→20系→40系→70系、60系→80系→100系→200系となる。
70系は長い歴史を持つランドクルーザーで最も長く販売されたモデルだが、その理由は、世界中で支持されていたというのが最大の理由。日本では2004年に販売を終了したが、海外では継続販売されていた。
今でこそ日本車のグローバル化が顕著だが、70系は世界のいろいろな国・地域で愛され続けていて、その結果日本でも異例の長期間販売された。
豊田章男社長は、クルマは道が鍛える、とアピールしているが、それを早くから実践していたのが70系ということになる。
その70系は2014年にランドクルーザー70シリーズ生誕30年を記念してバンとピックアップの2タイプが期間限定で販売されアッという間に完売しいまだ衰えぬ人気を見せつけた。70系は中古車としてもいまだに高値で取引されている。
2代目ホンダバモス
販売期間:19年(1999~2019年)
ストリートの後継としてホンダの軽商用バンのアクティバンをベースに軽乗用ワンボックスに仕立てたのがバモス。ゴルフカートを彷彿とさせるオープンタイプの軽トラックのバモスホンダの名前を復活させたということで、ここでは2代目という扱いとする。
2代目バモスは2019年1月で19年の歴史に幕を下ろした。
商用車ベースのワンボックスの代名詞、スズキエブリイワゴン、ダイハツアトレーワゴンの対抗馬としてホンダは市場投入。
デビュー時の月販目標台数が2500台ということとからもホンダもそれほど売れるクルマではない、という認識だったに違いない。
2003年には遊びに使えるクルマとして、バモスよりも広いカーゴスペースを持つはモスホビオを追加して販売増強を狙った。
ホンダは脱力しているようにも思えるが、世界最高基準の衝突安全性能を備えていたし、見た目に反して走りの楽しさではライバルを寄せ付けなかった。
バモス、バモスホビオとも20年近く販売されたが、ホンダがN-BOX、N-VANをもっと早く登場させていれば、ここまで長くは販売されていなかったかもしれない。
しかし、バモス&バモスホビオがあったから、N-VANが誕生したともいえる。今やホンダは軽自動車王国と化しているが、陰ながらその構築に貢献したのがバモスと言える。
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