自動車メーカーはあの手この手でユーザーを獲得しようと必死だ。初診貫徹、最初のコンセプトを守り続けているクルマもあるが、その頑固さが消滅への道を歩んでしまったというクルマも多い。
そのいっぽうで、コンセプトを変更して再チャレンジするクルマもある。最近のクルマはキープコンセプトのモデルが多いが、コンセプトを変更して登場したクルマの成功と失敗を見ていく。
コンセプトチェンジは諸刃の剣で、成功もあれば失敗もあるメーカーにとってはある意味賭けでもある。
文:ベストカーWeb編集部/写真:TOYOTA、HONDA、SUBARU
【画像ギャラリー】モデルチェンジの度にコンセプトを変更して登場するホンダインサイト
2代目ホンダインサイト
販売期間:2009~2014年
2006年に初代インサイトが販売終了となり、その3年後の2009年に2代目インサイトがデビューした。
初代は空力を重視した3ドアファストバッククーペスタイルの2シーター。軽量化を徹底し、燃費を向上させるために気筒休止などの凝ったメカニズムを採用したいわば、実用性、採算性を度外視した燃費スペシャルだった。
それに対し2代目はリーマンショック後にホンダが開発原資を注力した量産ハイブリッドとしてデビュー。ボディタイプは5ドアハッチバックと大幅にコンセプトチェンジ。
室内は大幅に広くなり、使い勝手も向上、しかも189万円から購入できる価格設定も受けて大ヒット。
インサイトのデビュー後3カ月で3代目トヨタプリウスがデビューして、インサイトの価格にバッティングさせるなど、インサイト潰しに合い、徐々に販売を落としていったが、第2世代のホンダハイブリッドの象徴的存在ということには変わらない。
このインサイトは3代目ではミドルクラスサルーンとしてまたまたコンセプトチェンジ。3世代にわたり毎回コンセプトを変更している珍しいクルマだ。
3代目スバルフォレスター
販売期間:2007~2012年
スバルフォレスターは1997年に初代、2002年に2代目がデビューしている。スバルはいすゞビッグホーンのOEM車を販売していたことはあるが、フォレスターはスバル初のオリジナルSUVだ。
初代、2代目はSUVではあるが、背が低くワゴンとSUVのクロスオーバーカー的なキャラクターだった。
それに対し、2007年にデビューした3代目は全高を高くしてSUVらしいルックスになって生まれ変わった。全高は初代が1585mm、2代目が1590mmに対し、3代目は1675mmと堂々としたものになった。
動力性能、走行性能は初代から一貫して評価が高かったものの、ユーティリティ面での不満、見た目の不満は出ていたが、3代目で100mm近く車高を上げたことでSUVとしての認知度も飛躍的にアップしたという。
レガシィランカスター、アウトバックといったワゴンをベースにしたクロスオーバーカーとの差別化も明確になったことが大きい。
SUVは背が高ければいいというわけではないが、背が高いのはユーザーにとってSUVを選ぶ要素のひとつということを考えると無視できない。フォレスターは現行モデルでは全高は1715mmまでアップしていて好評だ。
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