スポーツハイブリッドi-DCD(3代目フィットハイブリッドほか)
ホンダはコンパクトカークラス用としてスポーツハイブリッドi-DCDを開発し、フィットを皮切りに、ヴェゼル、グレイス、シャトルに拡大搭載して現在に至る。
スポーツハイブリッドi-DCDは、ホンダの初期ハイブリッドのIMAがエンジンとモーターを切り離せない構造だったのに対し、エンジンとモーターを状況によって最適に切り替えられるようにしたことだ。
エンジンはホンダ独自技術でアトキンソンサイクル化したi-VTECというのもマニア心をくすぐる。
そのエンジンに軽快な走りを実現するために高出力モーターを内蔵したDCT(デュアルクラッチトランスミッション)を組み合わせたあたりがホンダらしい。この独創的な商品開発こそホンダの魅力と言っていい。
ただこのトランスミッションが曲者で、度重なるリコールの要因になってしまった。かつてのホンダだったらこの独創的なトランスミッションも自製したのだろうが、高効率化、コストダウンを考慮して外注品となっていた。
自製のものならすぐに対策できたであろうトラブルも、外注品ということがネックになっていたのは否めない。
そのトランスミッションも熟成されて信頼性を大いに高めているため不安はないが、新型フィットでは2モーターハイブリッドを新規搭載することを考えると、ホンダにとっても手に負えなかったのかもしれない。
MTREC(ビート)
ビートがデビューしたのはパワーウォーズ真っ盛りの1991年。
軽オープンスポーツのビートには、ナチュラルで鋭いレスポンスが得られるNAが必須と考えたホンダは、ホンダF-1テクノロジーを応用した、多連スロットルと2つの燃料噴射制御マップ切り換え方式によるハイレスポンス・エンジンコントロールシステム、MTRECを新開発した。
どのメーカーも660ccエンジンをターボまたはスーパーチャージャーで過給して自主規制上限の64psをマークしていたなか、ホンダはNAで64psを達成することに成功。
テーパーポートインテークマニホールド、3連スロットルの機能を有効に活かすエアクリー兼用大容量チャンバーの採用など、一度決めたらその目標にまい進するホンダらしさにあふれたエンジンと言えるだろう。
64psをNAで実現したものの、同じ64psでもターボとはトルクが違うため、ターボ勢に比べて遅かったのは事実だが、軽オープンスポーツのビートにはジャストマッチのエンジンだった。
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