【偉大なる「エンジン屋」の神髄】ホンダらしさが光るエンジン 4選


スポーツハイブリッドi-DCD(3代目フィットハイブリッドほか)

 ホンダはコンパクトカークラス用としてスポーツハイブリッドi-DCDを開発し、フィットを皮切りに、ヴェゼル、グレイス、シャトルに拡大搭載して現在に至る。

 スポーツハイブリッドi-DCDは、ホンダの初期ハイブリッドのIMAがエンジンとモーターを切り離せない構造だったのに対し、エンジンとモーターを状況によって最適に切り替えられるようにしたことだ。

フィットハイブリッドの初代ではIMA、2代目(写真)はホンダ独自の考えが盛り込まれたスポーツハイブリッドi-DCDを採用しハイブリッド王国トヨタに対抗

 エンジンはホンダ独自技術でアトキンソンサイクル化したi-VTECというのもマニア心をくすぐる。

 そのエンジンに軽快な走りを実現するために高出力モーターを内蔵したDCT(デュアルクラッチトランスミッション)を組み合わせたあたりがホンダらしい。この独創的な商品開発こそホンダの魅力と言っていい。

 ただこのトランスミッションが曲者で、度重なるリコールの要因になってしまった。かつてのホンダだったらこの独創的なトランスミッションも自製したのだろうが、高効率化、コストダウンを考慮して外注品となっていた。

東京モーターショー2019で世界初公開され2月から販売を開始する新型フィットは1モーターにこだわったこれまでとは違い2モーターハイブリッドを採用

 自製のものならすぐに対策できたであろうトラブルも、外注品ということがネックになっていたのは否めない。

 そのトランスミッションも熟成されて信頼性を大いに高めているため不安はないが、新型フィットでは2モーターハイブリッドを新規搭載することを考えると、ホンダにとっても手に負えなかったのかもしれない。

MTREC(ビート)

 ビートがデビューしたのはパワーウォーズ真っ盛りの1991年。

 軽オープンスポーツのビートには、ナチュラルで鋭いレスポンスが得られるNAが必須と考えたホンダは、ホンダF-1テクノロジーを応用した、多連スロットルと2つの燃料噴射制御マップ切り換え方式によるハイレスポンス・エンジンコントロールシステム、MTRECを新開発した。

軽ミドシップオープンのビートにとって、運転する気持ちよさを追求するためにホンダはNAエンジンにこだわり、MTRECを新開発

 どのメーカーも660ccエンジンをターボまたはスーパーチャージャーで過給して自主規制上限の64psをマークしていたなか、ホンダはNAで64psを達成することに成功。

 テーパーポートインテークマニホールド、3連スロットルの機能を有効に活かすエアクリー兼用大容量チャンバーの採用など、一度決めたらその目標にまい進するホンダらしさにあふれたエンジンと言えるだろう。

 64psをNAで実現したものの、同じ64psでもターボとはトルクが違うため、ターボ勢に比べて遅かったのは事実だが、軽オープンスポーツのビートにはジャストマッチのエンジンだった。

MTRECはホンダF1テクノロジーを応用して多連スロットル技術が盛り込まれ、MTRECは3連スロットルを採用するなどしてNAで64psを達成

【画像ギャラリー】1990年以前にホンダが世間を驚かせたエンジン