ソニーが自動運転車を公開した奥深い理由 完成度の高さにビックリ!!

メガサプライヤーの技術の集合体

 いっぽう、クルマそのもののハードウェアに関してはソニーは開発/製造のノウハウを持っていないから、マグナの協力を得たと発表されている。

 資料を見ると、電池を収めた薄いボックス状のプラットフォームとか、前後ダブルウィッシュボーンのサスペンション、前後に搭載される出力200kWのモーターなど、構成はこの種のプレミアムEVの文法どおりといった印象。

Vision-Sはインテリアの造り込みもすばらしく、いつ市販してもおかしくないレベルの仕上げを見せる。全席の独立タイプシートスピーカーを装着

 マグナといえばトヨタスープラ/BMW Z4の生産担当会社として日本でも知られるようになったが、開発委託も生産委託もどちらも可能なユニークな会社だ。

 仮にソニーの気が変わって市販することになったとしても、マグナならその要求に応える実力を備えている。

 また、マグナ以外でも、ボッシュ、コンチネンタル、ZFなどおなじみの欧州系メガサプライヤーが協力していて、ステアリング、足回り、電池やそのコントローラなどを担当している。

 この開発体制はある意味「丸投げ」とも言えるもので、異業種のソニーがクルマを造るにはやむを得ない選択だったわけだが、この体制で生産までマグナに任せたとしたら、おそらくは相当なコスト高。クルマを売って利益を出すのは難しそうだ。

ソニーではVision-Sの市販の予定はないというが、2020年度中に実証実験を開始する予定だというから今後の熟成に期待したい

 このあたりも、ソニーが「このクルマを売るつもりはありません」としているひとつの理由と思われるが、すでにレッドオーシャン化しつつあるプレミアムEV市場を見るにつけ、それが正解。

 得意のセンサービジネスで自動車業界に食い込むためのアドバルーンとして造ったのが、このVision-Sと理解すべきなんでしょうね。

【画像ギャラリー】ソニーVision-Sの内外装の仕上げは試作車のレベルを超越!!

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