メガサプライヤーの技術の集合体
いっぽう、クルマそのもののハードウェアに関してはソニーは開発/製造のノウハウを持っていないから、マグナの協力を得たと発表されている。
資料を見ると、電池を収めた薄いボックス状のプラットフォームとか、前後ダブルウィッシュボーンのサスペンション、前後に搭載される出力200kWのモーターなど、構成はこの種のプレミアムEVの文法どおりといった印象。
マグナといえばトヨタスープラ/BMW Z4の生産担当会社として日本でも知られるようになったが、開発委託も生産委託もどちらも可能なユニークな会社だ。
仮にソニーの気が変わって市販することになったとしても、マグナならその要求に応える実力を備えている。
また、マグナ以外でも、ボッシュ、コンチネンタル、ZFなどおなじみの欧州系メガサプライヤーが協力していて、ステアリング、足回り、電池やそのコントローラなどを担当している。
この開発体制はある意味「丸投げ」とも言えるもので、異業種のソニーがクルマを造るにはやむを得ない選択だったわけだが、この体制で生産までマグナに任せたとしたら、おそらくは相当なコスト高。クルマを売って利益を出すのは難しそうだ。
このあたりも、ソニーが「このクルマを売るつもりはありません」としているひとつの理由と思われるが、すでにレッドオーシャン化しつつあるプレミアムEV市場を見るにつけ、それが正解。
得意のセンサービジネスで自動車業界に食い込むためのアドバルーンとして造ったのが、このVision-Sと理解すべきなんでしょうね。
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