どんな逆輸入車が日本で売れそうか? トヨタ車は?
■日本で販売したら売れそうな北米生産の日本車の候補車
●トヨタ:シエナ、4ランナー、カムリ、セントラ
●日産:パスファインダー、ムラーノ、セントラ
●スバル:アウトバック
●マツダはCX-50
まずはトヨタ。どのモデルを入れれば日本で売れるのだろうか? 現在、アメリカで販売されているが、日本で販売されていないトヨタ車は、ピックアップトラックのタコマ、タンドラ。SUVはハイランダー、グランドハイランダー、セコイア、4ランナー、セダンはカムリ(2023年末に国内向け生産終了)、ミニバンはシエナ。
このなかで日本導入すると売れそうなのは4ランナー(旧ハイラックスサーフ)や大型ミニバンのシエナ、そして2023年末に国内販売を終了したカムリの3車種だろう。
タイ工場で生産されているハイラックスは日本でもスマッシュヒットとなったが、現在は部品調達の関係などにより日本での販売を休止中。三菱トライトンも販売好調のことから、日本市場ではピックアップトラック市場が存在することを証明した。ハイラックスが販売休止中の今、ぜひ日本で売ってほしいクルマの筆頭はタコマやタンドラではなく、4ランナーではないだろうか。
4ランナーは、1984年からハイラックスサーフとして販売され、2009年の4代目まで日本で販売されていた。パワートレーンは、278ps/430Nmを発生する2.4L 直列4気筒ターボ i-FORCE(アイフォース)と、326ps/630Nmを発生する2.4L 直列4気筒ターボ i-FORCE MAXハイブリッドの2種類をラインナップする。
4ランナーはハイラックスして販売すれば人気が出るかもしれない。ただ、4ランナーは、日本の田原工場で生産され、北米に輸出する形をとるモデルのため、今回の日米貿易摩擦解消を解決するクルマになるのか……。
続いて日本で売れそうなクルマといえば、セダンのカムリと大型ミニバンのシエナかもしれない。カムリは2023年末に国内販売終了となったのが記憶に新しいが、2025年モデルの北米仕様のカムリを見ると、12.3インチの大型ディスプレイや第5世代の2.5Lハイブリッドシステムを搭載、ハンマーヘッドデザインもなかなかカッコいい。
大型ミニバンのシエナはトヨタ「シエナ(Sienna)」は、後席スライドドアを備えた7/8人乗りのミニバンだ。現行モデルは2020年10月に登場した4代目。ボディサイズは全長5169mm×全幅1994mm×全高1740mm、ホイールベース3061mm アルファードよりも、全高以外はひと回り以上大きなサイズだ。
シエナのインテリアは、3列シートで家族がゆったりと快適に過ごせる設計。2列目シートには「スーパーロングスライド・キャプテンシート」が装着され、ゆとりのあるスペースを確保されており、上級グレードには内蔵式の冷蔵庫が標準装備となっているほか、内蔵バキュームによって食べ物のくずやゴミなどを素早く掃除することもできる。
アルファード&ヴェルファイアの存在があるので売れるか心配なのと、この巨大なサイズ感、はたして日本人に受け入れられるのか……。
日産は国内の販売ラインナップを増やすいい機会
日産車の候補車で最初に思い浮かぶのはパトロールだが、関税障壁の問題以前に、日本での販売が検討されており、しかも日産車体九州で生産されているので除外。ちなみに兄弟車のインフィニティQ80も同工場で生産されている。
インフィニティQX50&QX55はメキシコ工場だが2025年末で生産終了。もし日産の逆輸入車を日本で販売するとしたら、米国テネシー州スマーナ工場で生産されている、パスファインダー、ムラーノ、インフィニティQX60、セントラ、ヴァーサといったところだろう。
すでに日産は追加関税の発動を踏まえ、北米向けローグの一部生産を日産自動車九州からスマーナ工場に移す計画や、国内外17工場のうち、7工場を閉鎖する計画などを発表しており、今後どうなるのか、先行きは不透明だ。
続いてミドルサイズSUVのパスファインダー。北米仕様と、2024年3月から販売されている中国仕様(写真)は別モノで、中国仕様は最新のデジタルVモーショングリルを採用しているが、北米仕様の現行モデルは2021年2月にフルモデルチェンジをした5代目だ。北米仕様も中国仕様と同じスタイル、パワートレーンならば魅力的なのだが、現行モデルの北米仕様は日本では難しいだろう。ただ、2025年度に部分改良モデルが発表される予定なので状況が変わる可能性がある。
ムラーノは2024年10月に発表され、2025年初頭から北米とカナダで販売されている。生産は北米テネシー州スマーナ工場だ。初代が2004年に日本で販売されていたのを覚えている人も多いのではないだろうか。残念ながら日本では2015年に販売が終了。しかし、2024年末に3代目が北米で販売されたが日本では販売されなかった。
パワートレーンは、241ps/353Nmを発生する2L、VCターボ。先代モデルからトルクを27Nm向上させ、パドルシフトを搭載した9速ATを組み合わせている。駆動方式はFFと4WD。専用チューニングが施された周波数感応型のダンパーと電動パワーステアリングによって、優れたハンドリングと乗り心地を両立している。
ランクル250、300対抗としてパトロール、パスファインダー、ムラーノをぜひ日本で販売してほしいものだ。
コンシューマーテストで人気車に挙げられていた、2019年から販売されているセントラの北米仕様は、北米日産のキャントン工場で生産されている。このセントラは旧ブルーバード(シルフィー)の後継車だが、全長4640×全幅1820×1450mmとサイズはデカい。
さらにセントラの下、コンパクトセダンのヴァーサがあるが生産はメキシコ・アグアスカリエンテス工場なので今回の関税措置に該当しないだろう。
ちなみにこのヴァーサは、日本でもかつてティーダ ラティオという名前で販売されていたモデルだ。ヴァーサの魅力は価格。ベーシックなグレード「S」の5速MT仕様が1万6130ドル(日本円で約240万円)という設定で、これはアメリカで販売される新車の中で、もっとも安い価格。
日本ではセダンの販売は厳しい状況だが、セントラはなかなかスタイリッシュなので、日産の国内販売車種を増やす意味でもいいかもしれない。
インフィニティブランドに関しては、日産は日本での展開は考えていないので、QX60、QX80が販売される可能性は低い。たしかにレクサス対抗として新たなディーラー網を構築するのは難しいのはわかるが、この際、販売台数増を目指したいなら、いっそのことインフィニティ車を日産ディーラーで「売っちゃえ」とも思うのだが……。









コメント
コメントの使い方輸入車全般の話ですが、国産車なら一般的な整備は認証工場ならどこでもできますが、輸入車の場合、部品の手配、整備の基準データ、整備マニュアル等を用意するのが大変な場合があります。特にアメ車は代理店が少なく、情報の開示も無いので苦労します。
だから、いつまでも「外車」なんです。