トヨタ ブレイドはVWゴルフに挑んだ意欲作 こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】

走りにも上級セダンを意識した設計思想が息づく

 サスペンションは、フロントがストラット式、リアには新開発のダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用することで、車速や路面状況を問わず、優れた路面追従性と姿勢安定性が確保されている。

 高剛性化されたボディとの相乗効果により、ロール剛性・ピッチングの制御が向上。しなやかさと適度な引き締まりを兼ね備えたセッティングで、段差や継ぎ目の吸収性にも優れる。

 タイトなカーブが連続するワインディングを走っても挙動は安定しており、ステアリングの応答性もじつに自然で、スポーティ過ぎず、それでいてルーズでもない、絶妙なバランスで仕上げられている。結果として日常域から高速走行まで、常にフラットで安定した、“高級車”に相応しい乗り味が得られた。

 制動系には、前後ともに大径ディスクブレーキを採用。ブレーキ制動力はもちろんのこと、ペダルタッチの初期応答やストローク感にまで配慮されており、扱いやすさと安心感を高い次元で実現した。

 また、静粛性の面では、上級セダン並みの快適性を目指し、吸音・遮音・制振の三要素をバランスよく最適化。エンジンルームやフロア下に配置された制振材、各部の吸音構造により、ロードノイズやエンジン音を効果的に遮断。これにより、乗員が会話やオーディオを快適に楽しめる静粛な車内空間が確保されている。

 安全装備にも抜かりはない。VSC(車両安定制御)とTRC(トラクションコントロール)をはじめ、サイド&カーテンエアバッグ、さらには運転席ニーエアバッグまで全車に標準装備。もはや上級セダンと同等の安全性を有していたといっても過言ではない。

ドアトリムからインストルメントパネル、メーター周辺にかけてあしらわれたスエード調の表皮と、センタークラスターパネルやオーナメントに施されたチタン調塗装が、上質で洗練された室内空間を演出
ドアトリムからインストルメントパネル、メーター周辺にかけてあしらわれたスエード調の表皮と、センタークラスターパネルやオーナメントに施されたチタン調塗装が、上質で洗練された室内空間を演出

 取り回しやすいサイズに、走りと快適性、安全性までも凝縮したブレイドは、トヨタが本気で作った「大人のためのコンパクト」を強く印象づけ、ハッチバックというジャンルに新しい価値をもたらす存在となった。

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