乗り手を選ぶクルマだが、ただの移動では味わえない歓びがある
インテリアもパジェロ エボの特別性を感じさせる。ドライバーが手にする本革巻きステアリングには、操作性と高級感の両立が図られ、メーターベゼルやエアコン吹出口などにはカーボン調パネルをあしらってスポーティさと質感を両立。これらのディテールは、ハードな走りに対応する機能美を表現するとともにオーナーの所有欲を満たしてくれるのは間違いない。
快適装備も充実しており、フルオートエアコンやキーレスエントリーといった利便性の高い機能が標準で装備される。フロントシートには、優れたホールド性と快適性を誇るレカロ製バケットシートを採用し、長距離移動やスポーツドライビングにおいても高いパフォーマンスを発揮する。
こうした装備群により、パジェロ エボはラリー直系の高性能を備えながらも、日常使いからロングドライブまで難なくこなす、万能かつプレミアムなクロスカントリー4WDとして完成されている。

パジェロ・エボの販売は、ベースとなる2代目パジェロがフルモデルチェンジを迎える1999年まで継続された。その間、専用設計のエンジンやサスペンション、先進的な駆動システムなど、開発コストのかかる数々のチューンを施されながら市場では着実に受注を積み重ねた。現在もパジェロ エボリューションには、標準仕様のパジェロ以上にコアなファンが数多く存在する。
性能を追求した結果として生まれた無駄のない“機能美”を備えたスタイル。ビシッと締め上げられ、反応が鋭く、機敏で繊細なコントロールが求められる操縦性やパワフルな動力性能、といった、モータースポーツでの戦いを想定した能力は、スポーツカーを手にすることと同様の気構えが必要で現代のニーズには合致しにくい部があることは否めない。
しかし、カジュアルになりすぎたSUVがもてはやされている今こそ、パジェロ エボリューションのような硬派なクルマは注目に値する。ハンドルを握ればただの移動では味わえない、乗りこなす楽しさと歓びが実感できる稀有な存在と言えるだろう。
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