新型CX-5とRAV4の内装比較
インパネ周辺は、新型CX-5は囲まれ感の伴う形状で上質感を強める。エアコンなどは物理スイッチではなく、タッチパネル式で流行には沿っているが、操作性の悪化も心配される。
新型RAV4の内装は水平基調で、質感よりも機能を重視する。エアコンにはプッシュ式スイッチも使うが、日本仕様のATは、レバーではなく短いスイッチで操作する。これも賛否両論がありそうだ。
新型ハリアーの内装は公表されていないが、ソフトパッドや合成皮革が多く使われ、この3車では最も上質に造り込むと予想する。おそらく内装の質は新型ハリアーがトップで、次に新型CX-5、新型RAV4の順番になりそうだ。
居住性は、新型CX-5が現行型に比べて足元空間を広げる。現行型の全長は4575mmだが、新型は115mm長い4690mmになるからだ。
ホイールベースの数値は公表されていないが、写真を見る限り、全長が拡大されても前後のオーバーハング(ボディがホイールから前後に張り出した部分)はあまり伸びていない。
そうなるとホイールベースも、全長ほどではないが、80mm前後は拡大される。現行型が2700mmだから、新型CX-5のホイールベースは2780mmくらいだ。
そうなると後席の足元空間も広がる。身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先空間は、現行CX-5は握りコブシ2つ分だが次期型は2つ半から3つ分になる。
新型RAV4のボディサイズは、現行型と同程度で、ホイールベースも2690mmで等しい。車内の広さにも大差はなく、身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ分だ。新型ハリアーの詳細は不明ながら、RAV4と同等だろう。
このように後席など車内の広さは新型CX-5が一番広いと予想する。続いて新型RAV4と新型ハリアーが同等で並ぶ。ちなみに新型CX-5は、開発のテーマに日常的な使い勝手の向上を挙げている。ドアの開口部やチャイルドシートの装着性も向上させると説明している。この点からもホイールベースを拡大することが推察される。
運転のしやすさは、現行型ではCX-5が注目される。全長が4575mmでミドルサイズSUVとして少し短く、全幅も1845mmに収まるからだ。
しかし新型CX-5では、この良さが薄れる。前述の通り全長は4690mm、全幅も若干拡大されて1860mmになるからだ。ボディ後端のCピラーも太めで、後方視界も狭めている。現行CX-5のユーザーが新型に乗り替える時は、車庫入れや縦列駐車などを試したい。
新型RAV4については、現行型の標準グレードと新型のコアを比べると、全長、全幅、ホイールベースの数値は共通だ。ボディ後端のピラーも太くはない。混雑した街中での運転感覚、車庫入れのしやすさなどは、新型CX-5よりも現行型と同等の新型RAV4が優れているだろう。新型ハリアーもこれに準じると思われる。
パワーユニットはどうなる? 新型CX-5はディーゼル廃止!
パワーユニットは新型CX-5が大きく変わる。現行型では直列4気筒2.2Lクリーンディーゼルターボの人気が高く、日本国内ではCX-5の60~70%を占める。
それが新型ではディーゼルが廃止され、発売時点では2.5Lガソリンのマイルドハイブリッドのみになる。2027年には新型2.5Lガソリンエンジンを使ったストロングハイブリッドが追加される見通しだが、ディーゼルは用意されない。
ちなみに現行CX-5のディーゼルは、実用回転域で4Lのガソリンエンジンに相当する駆動力を発揮する。燃料代は、軽油価格の安さもあり、ハイブリッドのe-POWERを搭載するエクストレイルと同等だ。
しかも現行CX-5のディーゼルは、高機能な割に価格が割安で、2LのNAガソリンエンジンとの価格差を31万9000円に抑えた。一般的にハイブリッドは、NAガソリンエンジンとの価格差を35万~60万円に設定するから、CX-5のディーゼルは駆動力が高く低燃費で価格も割安だ。
現行CX-5は、モデル末期ながらも2025年上半期(1~6月)に2132台を登録して、国内におけるマツダの最多販売車種であった。ディーゼルの搭載はCX-5の人気の秘訣だから、これを失うと新型の売れ行きにも影響を与えそうだ。





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