トヨタ スープラが未だに人気の理由をプロの証言から迫る

 飯田章氏「このハンドリングを越えるトヨタ車は未だにない」

全日本GT選手権で、GT仕様のスープラを駆りチャンピオンを獲得した飯田章氏
 
全日本GT選手権で、GT仕様のスープラを駆りチャンピオンを獲得した飯田章氏  

 レースを始めた頃、憧れたクルマがR32スカイラインGT-R、もう1台がこの80スープラだった。

 どちらかといえばデザインもスープラのほうがスポーツカーらしくて格好よかったし、FRのターボ車ということもよかった。

 その後、レースで某チューニングメーカーの80スープラに乗せてもらい、サーキットまで向かった時には痺れた。高速道路での速さと乗り心地のよさに。

 ちょっとアンダーっぽいけど、テールがブレイクしないというハンドリングと乗り味は、トヨタ車でこのクルマを超えるのはいまだにない。強いて挙げるなら、価格もエンジンもぜんぜん違うレクサスLFAくらい。

 ボクが2002年にGT選手権(GT500)で初めてドライバーズチャンピオンになった時のマシンだけど、レースカーとしてもキャビンが小さく、前方投影面積が小さいスープラは、今見るとコンパクトに感じる。

飯田章氏は2002年、脇阪寿一氏とともにチャンピオンを獲得。そのマシンが写真のエッソウルトラフロースープラだ
 
飯田章氏は2002年、脇阪寿一氏とともにチャンピオンを獲得。そのマシンが写真のエッソウルトラフロースープラだ  

 けれど、今年から投入されるレクサスLC500はこのスープラに“先祖返り”した印象さえ受ける。

 実はナンバーを付けていない状態のスープラを保管していて(RZの5AT車)、ゲトラグ製6MTも別に用意してあるから載せ替えも含めてレストアし、ライトチューニングして近々復活させたいね。

 ■A80スープラ

 1993年から2002年まで発売された最後のスープラ。先代の70スープラから一転、曲線的なデザインとなった。

 エンジンは直列6気筒、3L(2JZ型)で、NAとターボの双方をラインアップ。ゲトラグ製6速MTをターボのRZに日本車として初めて搭載した。

スープラ RZ(A80型) 主要諸元

  • 全長×全幅×全高:4520×1810×1275mm
  • ホイールベース:2550mm
  • 車重:1510kg
  • トランスミッション:6MT
  • エンジン:直6DOHCターボ、2997cc
  • 最高出力:280ps/5600rpm
  • 最大トルク:46.0kgm/3600rpm
  • 10・15モード燃費:9.0km/L
  • 価格:448万円

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