【EVやハイブリッドは本当にエコなのか?】トータルコストで見るとガソリン車がNO.1な訳

ガソリン車の進化ぶり 下取り価格の上昇に期待

新型フィットの1.3L、直4ガソリンエンジンは98ps/12.0kgm。WLTCモード燃費は、1.3L、NAエンジンを搭載するベーシックが20.4km/L、量販車種のホームが20.2km/L。ちなみに1.5Lのe:HEV(ハイブリッド)は、エンジンが98ps/13.0kgm、モーターが109ps/25.8kgm。WLTCモード燃費はベーシックが29.4km/L、ホームが28.8km/L
新型フィットの1.3L、直4ガソリンエンジンは98ps/12.0kgm。WLTCモード燃費は、1.3L、NAエンジンを搭載するベーシックが20.4km/L、量販車種のホームが20.2km/L。ちなみに1.5Lのe:HEV(ハイブリッド)は、エンジンが98ps/13.0kgm、モーターが109ps/25.8kgm。WLTCモード燃費はベーシックが29.4km/L、ホームが28.8km/L
 ヤリスハイブリッドは91ps/12.2kgmの1.5L、直3エンジンに、80ps/14.4kgmのモーターを組み合わせる。WLTCモード燃費はハイブリッドXで36.0km/L。ハイブリッドGは35.8km/L、ハイブリッドZは35.4km/L。ガソリン車は1Lが20.2km/L、1.5L車は19.6~21.6km/L
ヤリスハイブリッドは91ps/12.2kgmの1.5L、直3エンジンに、80ps/14.4kgmのモーターを組み合わせる。WLTCモード燃費はハイブリッドXで36.0km/L。ハイブリッドGは35.8km/L、ハイブリッドZは35.4km/L。ガソリン車は1Lが20.2km/L、1.5L車は19.6~21.6km/L
パワートレイン別に5年間、10年間にかかる費用を試算
パワートレイン別に5年間、10年間にかかる費用を試算

■5年間の差し引きトータルコスト
1位:フィット1.3ガソリン およそ173万円
2位:ノートe₋POWER およそ203万円
3位:ヤリスハイブリッド およそ204万円
4位:マツダ2ディーゼル およそ205万円
5位:プリウス およそ233万円
6位:プリウスPHV およそ282万円
7位:リーフ およそ302万円

■10年間の差し引きトータルコスト
1位:フィット1.3ガソリン およそ287万円
2位:マツダ2ディーゼル およそ308万円
3位:ヤリスハイブリッド 321万円
4位:プリウス およそ386万円
5位:ノートe-POWER およそ390万円
6位:リーフ およそ419万円
7位:プリウスPHV およそ455万円

 ガソリン車も情勢に変化がない訳ではないが、こちらはむしろ良くなっている。それはトヨタがヤリスを、そしてホンダが新型フィットを発売していることが大きい。今回はヤリスのハイブリッドモデルを比較対象に選んでいる。

 どちらもまだ発売間もないモデルのため実燃費は分からないが、先代モデルに対してカタログ燃費が向上していることは確実(測定方式がJC08からWLTCに変更されたので、直接の比較はできないが)なので、若干平均燃費を引き上げ、ニューモデルということから下取り価格も高めている。

 さらに7年、10年と乗り続けることで、ガソリン車の優位性は高まる傾向にあるが、年数が経過すると消耗品以外の部品が寿命となり、故障により路上で立ち往生するリスクも高まる。そのため5年で買い替える方が、一般的には安心だろう。

 またバッテリーをたくさん搭載しているプラグインハイブリッドやEVでは、バッテリーの劣化により航続距離や燃費(電費)の低下といった問題も起こり、バッテリー交換の必要が生じれば、30万円から50万円(容量や種類、メーカーにより異なる)の追加費用が掛かることになり、ますますトータルコストは上昇してしまう。

 以上のように5年間のトータルコストはフィット1.3ガソリン車の優位は変わらず、2位のノートe-POWER最下位争いの電気自動車やPHVという構図も変化はなし。

 10年間のトータルコストを見てもフィット1.3ガソリンの1位は変わらず、ガソリン→ディーゼル→ハイブリッド→EV→PHVという順番になった。

 マイルドハイブリッドに関しては、燃費の向上効果はあっても、バッテリーの交換コストなどを含めると、ガソリン代の節約分を相殺してしまって、実際の維持コストはわずかしかないとなれば、長く乗るほどお得とはいえない。

 実際にはスズキのSエネチャージについては東芝のSCiBというバッテリーの耐久性、信頼性についてはかなり定評のあるリチウムイオンバッテリーを採用しているので、エンジンと同じくらい長持ちしそうだ。

 ヤリスやフィットを支持するのは、そんなふうにさまざまな要素を含めたクルマ選びを行なう目の肥えたドライバーが多いだけに、自動車メーカーも手は抜けない。結果としてライフサイクルコストでも強みを発揮することになるのである。

【編集部註】「お得なのはこのクルマ」と分かったうえで、それぞれの好みに合ったクルマを選んでほしい。また、数万円お得だからといって、乗りたくもないクルマに乗るほうが(カーライフ全体で考えれば)損することになるだろう。

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