「21世紀はクルマが空を飛ぶ」。そんな夢物語が2017年ついに実現した。なんと空飛ぶクルマが市販化されたというのだ。
高価だが現実味のある価格で、いよいよクルマが空を飛ぶ。さあ一緒にテイクオフ!!
文:ベストカー編集部
PHOTO:PAL-V
初出:ベストカー2017年3月26日号
オランダ発、市販型空飛ぶクルマ
21世紀に人間はチューブの中を移動して、自動車は空を飛んでいる。今思えば発想力が豊かすぎるイラストを、幼い頃に見た記憶がある。
しかし実際は50年前となにも変わらず、人間は地面を歩きクルマだってタイヤで走っている。しかし、その認識が大きく変わる瞬間がやってきたのだ。
なんと2月13日に「空飛ぶクルマ」の発売が開始された。空飛ぶクルマを作ったのは「PAL-V(パルヴィー)」というオランダの会社。
てっきりアメリカが先を越すかと思いきや、ヨーロッパ、しかもオランダ発というのは意外だ。
このパルヴィー、創設は2007年とまだ10年ほどしか経っていない会社。計画自体は1999年から温めてきていて、18年越しの計画達成だ。
コンセプトカー(コンセプトプレーンと呼ぶべき!?)の初走行は2009年頃。そして初飛行は2012年頃に成功し、法律への適合実証などに時間を割いてきたとのこと。
そして登場した世界初の市販型「空飛ぶクルマ」が「Liberty(リバティ)」シリーズだ。
どうやって飛ぶの?
まず外観から見てほしいが、ヘリコプターのように見えて実はジャイロプレーンとよばれるもの。車体後部にプロペラ、ルーフ上にローターを備えている。ヘリコプターや固定翼にしなかった理由はいくつかある。
まずエンジン停止などの万が一の際に、テニスコート程度の面積があれば安全に着陸できるとのこと。また固定翼機と比較すると失速も少なく向かい風での着陸も容易という特徴があり、安全面でのメリットが大きい。
乱気流でもメリットがあるようだ。固定翼機との比較で乱気流を感じる割合が80%ほど少なく、安定した飛行ができることも特筆事項だ。
ジャイロプレーンなら50㎞/hから180km/hの範囲のスピードで飛ぶことができ、航空機では実現できない低速飛行ができる。陸空両用ならではのメリットが生まれそうだ。
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