マーチ ジェイド RVR… 販売低迷でも「光るところ」があるクルマを褒める 8選

■エクリプスクロスの影に隠れて 三菱 RVR(2020年1月販売台数:193台)

(TEXT/岡本幸一郎)

●デビューから10年の熟成したよさあり!

2010年登場。価格214万3900~255万5300円。1.8L直4エンジン搭載。4WDのみの設定

 実はRVRというのは、生まれながらにして、“先見の明”のカタマリのような存在だ。まだ背高パッケージやスライドドアが珍しい頃に出てプチヒットした初代は、SUVテイストのスポーツギアまで早くもラインナップしていたことにビックリ。

 しばしのインターバルののち復活した3代目も、今まさに人気カテゴリーであるコンパクトSUVに変貌を遂げて、いちはやく世に現れたのだから恐るべしだ。

 その3代目も10年選手の長寿モデルとなってきたが、スマホへの対応強化やサポカーSワイドに該当させるなど時代のニーズに合わせてしっかり進化しているところも偉い。

 去年の一部改良で「ダイナミックシールド」をさらに発展させたルックスも、もはや同じクルマとは思えないほど雰囲気が変わって立派に見えるようになった。ボディサイズは同じなのに車格が上がったように見えるほど。デザイナー氏、グッドジョブ! だ。

 取り回しのよいコンパクトなサイズが日本の道路事情でも扱いやすいのはいうまでもなし。それでいて車内は狭くなく、後席の居住性もトランクの広さも申しぶんなし。広大なパノラマガラスルーフのおかげで開放感も抜群だ。

 乗り心地もいたって快適で特に気になるところもない。雪上での高い走破性もさすがは三菱。発売から時間が経過したぶん、あらゆる部分が熟成されてこなれた印象だ。

■高級車として存在感が薄い!? ホンダ レジェンド(2020年1月販売台数:17台)

(TEXT/岡本幸一郎)

2014年登場。価格720万5000円。後輪のふたつのモーターでも駆動する4WDの3.5L HV搭載

●個性的なエクステリアで特別感があり、走りもいい!

 日本ではすっかりセダンの市場が縮小しているが、ホンダではセダンのラインナップが充実している。なかでも最上位のレジェンドは、世の高級セダンのなかでもひと際異彩を放つ存在に違いない。

 まずはなんといっても、ひとたび目にしたら脳裏に焼きついて離れない、超個性的なフロントフェイスが特徴だ。それもめったに見かけない希少なクルマだからこそなおのこと、見かけた時の体験は忘れられないものになる。

 さらに、上質なレザーやシルバー加飾をふんだんに配したインテリアが見せる高級感も、素晴らしい! のひとことだ。

 走りのほうもとても印象深い。クルマを自転運動させるという独自のSH-AWDなればこそ実現した異次元のハンドリングは世界で唯一無二。

 特に雪の上で走らせた時には、その回頭性とコントロール性の高さに感動すら覚えたものだ。販売台数は控えめななかでも北海道ではちょっとパーセンテージが高いという事実もすべてを物語っている。

 エンジンフィールも上々で、今や貴重な排気量大きめな自然吸気V6が生み出す力強く伸びやかな吹け上がりと重厚なサウンドにもホレボレする。これに3基のモーターが加わり、一斉に力を発揮した時の強力な加速Gもまたレジェンドならではの境地だ。

 この車格でこれほどドライビングの高揚感を与えてくれる高級サルーンなどない。

■SUVなのか位置付けがわからない スズキ イグニス(2020年1月販売台数:107台)

(TEXT/渡辺陽一郎)

●意外と後席は充分な広さで、最低地上高が高いのも便利

2016年登場。価格140万8000~191万700円。1.2Lマイルドハイブリッド搭載

 全長を3700mmに抑えたコンパクトカーだが、最低地上高には180mmの余裕があり、路上のデコボコを乗り越えやすい。悪路にかぎらず、駐車場と車道の段差が大きいような場所でも、ボディの下まわりを擦りにくい。

 水平基調のコンパクトなボディは四隅の位置がわかりやすく、最小回転半径が4.7mだから小回りの利きもいい。インパネは水平基調で視認性と操作性が優れ、前席は腰を包む形状だ。背もたれは下側が硬めで、座り心地は欧州車に似ている。

 後席も実用的だ。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシひとつ半を確保した。この前後方向の足元空間は、クラスが上のカローラやマツダ3と同等だ。しかもイグニスでは、後席に座る同乗者の足が前席の下側に収まるから、4名で乗車してもあまり窮屈に感じない。

 エンジンは1.2Lマイルドハイブリッドで、動力性能は高くないが、車両重量は最上級グレードでも880kgに収まる。そのために運転感覚は軽快だ。

 操舵に対する反応も意外に機敏でよく曲がる。街中から峠道まで、楽しく運転できる。4WDを選ぶとグリップコントロールも備わり、余裕のある最低地上高と相まって走破力を高めた。SUVとコンパクトカーの中間的なコンセプトは、発売後4年を経過した今でも新鮮に感じる。

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