■スバル
スバルも「現行インプレッサ以降に登場したモデルは強固なボディ剛性を持ち、電気自動車化などの高い拡張性を持つSGP」と、「現行インプレッサ以前に登場したモデルは旧世代のSIシャシー」と区別は明確だ。
SGPのポテンシャルの高さは折り紙付きだが、SIシャシーも度重なる改良により今でも古さを感じないのは大変立派だ。
今後日本向けのSGPは次期レヴォーグからボディ剛性を高めるフルインナーフレーム構造の採用が発表されており、人間で例えれば体幹が今まで以上に強くなるだけに、次期WRXともども期待大だ。
・SGP(Subaru Global Platform)…インプレッサスポーツ、インプレッサG4、SUBARU XV、フォレスター
・SIシャシー…レヴォーグ、WRX S4、レガシィ、レガシィアウトバック
・SIシャシーベース専用プラットフォーム…BRZ
■スズキ
スズキの主力モデルのプラットフォームは2014年登場の現行アルト以降、アンダーボディの骨格を最短距離で滑らかにつなぐことなどにより、軽量ながら強いボディ剛性を持つ「ハーテクトコンセプト」で設計されたものを車格やサイズによって使い分けている。
「ハーテクトコンセプト」によりアルト以降のスズキ車は充分なボディ剛性を持つうえに軽量なため燃費も良好で、スズキの社風を象徴しているように感じる。
ただクルマによっては車重が軽すぎるのか、高速道路などで強い横風に遭うと少し不安定に感じることがあるのが残念だ。
・ハーテクト(軽セグメント)…アルト系、スペーシア、ハスラーなど
・ハーテクト(Aセグメント)…イグニス、クロスビー、ソリオ
・ハーテクト(Bセグメント)…スイフト系、バレーノ
・ラダーフレーム系プラットフォーム…ジムニー、ジムニーシエラ
・乗用(Cセグメントプラットフォーム)…SX4 S-CROSS、エスクード
・商用バン(軽セグメント)プラットフォーム…エブリイ、エブリイワゴン
■ダイハツ
ダイハツはトヨタのTNGAコンセプトに近い「強いボディ剛性などを持ち、いいクルマを安価に提供する」というコンセプトを持つDNGAプラットフォームと、旧世代のプラットフォームが現在オーバーラップしている状態。
あと3年も経てば主力車種のDNGA化は完了するだろう。
DNGAプラットフォームは、第一弾のタントが「よく曲がるけど乗り心地が今ひとつ」、第二弾のロッキーは「ハンドリングと乗り心地が今ひとつ」と途上段階だが、ポテンシャル自体は高そうなだけに、熟成を進めれば、いずれいいクルマが現われるだろう。
・DNGA新プラットフォーム(Aセグメント用)…ロッキー
・Aプラットフォーム…ブーン、トール
・DNGA新プラットフォーム(軽自動車用)…タント
・軽乗用プラットフォーム…ミライース、キャスト、ムーヴ、ウェイクなど
・軽商用プラットフォーム…アトレーワゴン
・Dフレーム(区分のための便宜上の名称)…コペン
■5年もすれば賞味期限切れ? プラットフォームの賞味期限
(TEXT/鈴木直也)
自動車というのは、だいたいモデルライフが6〜8年くらいあるから、プラットフォームはその2倍くらいの寿命で構想されるのが相場。モノ作りとしてはわりと長期的なタイムスケールで仕事が進行する。
ところが、最近はクルマを取り巻く社会情勢の変化が激しく、世代交代のサイクルがどんどん短くなってきている。
典型的な例としては、衝突安全規制に対応したボディ構造の見直しとか、ハイブリッドやEVをバリエーションに取り込むためのパッケージング変更などなど……。
人間、誰しも5年先はイメージできるが10年先を正確に見通すのは難しい。特に今は自動車100年に一度の変革期だから、長くても10年くらいを見込んだプラットフォーム構想しか立てられなくなっているのが現状だ。
そんなわけだから、華々しく登場した新プラットフォームも、5年くらい経つと賞味期限切れが見えてくるイメージ。
電動化革命が迫りつつあるだけに、陳腐化が早いのは致し方ないのかもしれませんなぁ。
●【画像ギャラリー】あのメーカー、あのモデルのプラットフォームは? 各メーカー主要モデルとプラットフォームをギャラリーでチェック!!!
コメント
コメントの使い方