ベレット/1963~1973年
そのほかのモデルで流通台数が多いのは、9台流通しているベレット。ベレットは1963~1973年まで販売されたモデルで、いすゞのレースにおけるワークス活動を支えた一台だ。
スポーティモデルは、日本初のディスクブレーキを採用し、四輪独立サスペンションによって当時国産車のなかでは抜群の運動性能を誇り、日本で初めてGT(グランツーリスモ)というグレードを設定した。
ベレットというと1.6L、直4DOHCエンジンを搭載したGT-R(後期型はGT typeR)を思い浮かべるが残念ながら現在は流通していない。過去の販売車両のを調べると400万円前後で販売されていた。
現在ベレットの中古車の価格帯は約150万~約295万円で、1800GTが主力となっている。ノーマル車だけでなく、公認車検をとったレース仕様車も販売されている。
ピアッツァ/1981~1991年
続いて5台の中古車が流通している3ドアクーペのピアッツァ。5台のうち3台が1981~1991年まで販売された初代モデルとなる。
ピアッツァは117クーペの後継車ということもあり、デザインはG・ジウジアーロが担当し、ほぼコンセプトカーのアッソ・ディ・フィオーリのイメージを保ったまま量産化されているのが特徴だ。
初代ピアッツァの中古車の価格帯は約148万~約160万円でやや値上がり傾向がみられる。販売開始から約40年も経過しているにも関わらず、ノーマルコンディションのクルマが多いという奇跡に近い状況だ。
1981年に登場したピアッツァは、1983年にマイナーチェンジが行われ、ドアミラーを装着。
1984年には前年に登場したアスカ用エンジンにインタークーラー付きターボエンジンを搭載したモデルを投入(XE、XS)。最高出力は180psで、当時、2LのSOHCエンジンとしては最も高出力だった。
そして1985年には旧ドイツのチューナー、イルムシャーに足回りのチューニングを依頼したイルムシャーグレードを追加。
MOMO製ステアリング、レカロ製シートを装着し、イルムシャーシリーズ専用デザインのフルホイールカバーを装着したスポーティな外観を持っていた。
1987年には一部改良され、テールランプの大型化やアルミホイールの意匠変更、コンソール/ステアリングのデザイン変更を受けた。
また1984年から受注生産となった1.9L、DOHCを廃止。2L版の出力表示をネット化(180psは150psに、1.9L、SOHCはグロス表示の120psのまま)。
1988年にはロータス社との技術提携により、ハンドリングバイロータスを追加。MOMO製ステアリング、ロータスチューンドサスペンション、BBS製2ピースアルミホイールなどを装備。
このモデルで国内モデルでは初めてリアサスペンション形式が変更され、それまでの3リンクから5リンクとなった。また1.9L版が廃止され、2Lターボに一本化された。
イルムシャー、ハンドリングバイロータス以外にも、ヤナセによって販売されたピアッツァネロがある。
これは、1971年以降GM傘下であって国内販売網の拡大を意図したいすゞと、日本におけるGM車の正式な輸入代理店であり、販売車種の拡大を意図したヤナセとの提携によって生まれたモデルである。
ネロはイタリア語で黒を意味するもので、ブラックやピンストライプが入れられ、1984年には異形2灯ヘッドライトからインパルス(ピアッツアの輸出仕様)用の異形4灯に変更され、さらに1988年にはインパルス用のボンネットフードが採用され、可動式ヘッドライトカバーが廃止された。
そしてデビューから約10年が経つ1991年8月に販売が終了した。
初代ピアッツァの中古車は、数年前には100万円以下も見られたが、現在値上がり傾向にあるので、今が手に入れる最後のチャンスかもしれない。
一方の1991年に登場した2代目ピアッツァの中古車は約100万円のプライスが付いており、やはり人気は圧倒的に初期型に軍配が上がる。
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