高速道路で追い越し車線を走り続ける
続いては、後続車が追い越し車線に居座り続けるクルマにピタッとついている状況を見かけることも多くなってきた。
しかし、これはれっきとした交通違反である。
高速道路では左側の走行車線を走ることが原則であり、追い越し車線は前方車両を追い越すための一時的な車線である。追い越しが終わったら速やかに走行車線へ戻らなければならない。
追い越し車線を漫然と走り続けると、「車両通行帯違反」として取り締まりを受ける可能性がある。普通車の場合は違反点数1点、反則金6000円となる。
しかし金額の問題だけでなく、後続車の渋滞・ストレス・事故誘発につながる重大なリスク。警察庁によれば、2023年の通行帯違反による検挙は約3万件。高速道路での秩序を守るうえで見逃せない違反だ。
では具体的に追い越し車線をどれくらいの時間走り続けると違反になるのか、ということについては、警察の取り締まりでは、その目安を2km程度としているようだ。すなわち、高速道路を100km/hで走行している場合は、時間にして1分12秒追い越し車線を走り続けると取り締まりの対象となることになる。
繰り返しになるが、法定速度で走っていると言い張っても、無駄。追い越し車線を走り続けること自体が、違反なのである。
重要なのは、追い越しの目的が終わっているにもかかわらず、そのまま追い越し車線を走り続けているかどうかである。走行車線が十分空いているにもかかわらず戻らない場合は、取り締まりの対象となる可能性が高くなる。
また、追い越し車線を占有すると、後続車の通行を妨げるだけでなく、あおり運転など不要なトラブルを誘発する原因にもなりかねない。
高速道路では「追い越したら戻る」という基本ルールを徹底するだけで、安全性も交通の流れも大きく改善する。ベテランドライバーほど「昔からこう走っている」という思い込みを捨て、一度ルールを見直してみることが、安全運転への第一歩である。
では、居座り続けるクルマの後続車はどうしたらいいか? 後続車が進路を譲ってほしいときに昔使っているのを見かけたパッシングや右ウインカーだが、いまではほとんど見かけることはなくなった。
警察庁は「短時間・軽度な点滅は意思表示として有効」としているが、連続的・執拗な点滅や車間詰めはあおり運転防止法(妨害運転罪)の対象になり得る。
2020年に施行された改正道路交通法(いわゆるあおり運転防止法)では、著しい接近や不必要なパッシング・クラクションなど10類型の妨害運転が新たに規定された。居座りドライバーに対する過剰な抗議は、逆に自分が処罰対象になる危険がある。
国交省の啓発資料でも「追い越し後は速やかに左車線へ戻り、後続車が接近したら譲ること」と明記されており、意思表示をする側も安全な距離と方法を守る必要があるので注意が必要だ。
■通行帯区分違反:違反点数1点、反則金6000円(普通車)
もし、追い越し車線を居座り続ける、そんな心当たりのあるドライバーの方がいたら、ぜひ以下の提言を読んでほしい。
・「右に出たら、必ず戻る」を口癖に
追い越しが完了したら3回呼吸以内にウインカー→ミラー→目視で左へ。
・ACC使用時は“戻る”も自分の仕事
追従はシステム、レーン選択はあなた。
・合流や大型車が続く区間こそ“戻る練習”
左が混んでいても、戻る→少し走る→再度右で追い越すの繰り返しが交通全体の円滑性を高める。
・速度計だけでなく“後方”を定期に見る
ミラーは10~15秒に1回が目安。
以上、いかがだっただろうか? 今後、追い越し車線を低速で走り続けるドライバーがいなくなることを期待してやみません。
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