2019年2月18日、フィリピンで海外仕様の新型ハイエースが発表された。ハイエースにとってのフィリピンは、商用バンにおけるシェアで約6割に到達するという重要な市場。その発表場所に違和感はない。
単純に「新型ハイエース」と表現すると、如何にも日本でも発売されそうなイメージだが、この新型が国内に導入される可能性はあるのか? 本誌スクープ班の独自情報により、「日本の新型ハイエース」の全容が見えてきた!
文:ベストカー編集部
写真:ベストカー編集部(予想CG)、TOYOTA
ベストカー 2019年4月10日号
公開された新型ハイエースは日本仕様と「別モノ」
ノーズを持ったセミボンネット型のスタイルは、日本のキャブオーバー型を見慣れた目には少し奇異に見えるが、果たしてフィリピンで発表されたハイエースが、日本でも新型として登場するのか。
その可能性はほぼゼロと言っていいほど低い。その理由に日本の商用バンは「4ナンバー」を極めて重視するからだ。
道路運送法における「4ナンバー」の定義は、全長4700mm以下×全幅1700mm以下×全高2000mm以下というもの。フィリピン発表の新型はショートボディでも全長=5265㎜もあり、4ナンバーの条件に合致しない。これではせっかく脈々と築き上げてきた日本ユーザーからの信頼を失うのは確実だ。
以上から考えると、日本にはまったく別の新型が用意されると考えるのが自然だ。
日本仕様の標準ボディ車は4ナンバー維持
その日本オリジナルの新型ハイエースだが、さすがに現行のようなボンネットのないキャブオーバー型を継続することは、進化を続ける先進安全装備の性能をフルに発揮させるためにも難しい。短いながらもボンネットを備えたルックスとなるだろう。
そのルックスとすることでボディサイズや積載性能に影響が出ないかが心配されるところだが、先にも述べたようにトヨタは4ナンバーの重要性を十二分に理解しているので、その枠内に収まるボディタイプを基本に据える。
積載性能に関してもフロントシート位置を衝突安全性を鑑みながら前進させることで現行同等以上を維持する。このあたりの技術に関しては、かつてのiQのようなマイクロコミューターで培ったノウハウも動員されることになるだろう。
用意されるエンジンは、4ナンバーの条件に合致させるため、2Lのガソリンは確実にラインナップされる。
そのほかディーゼルも用意されるが、これは現行の2.8Lからハイラックスなどが搭載する2.4Lにダウンサイジングされる可能性がある。400ccの排気量ダウンだが、出力は+1ps/4.2kgmとアップするため、不満を唱える人は少ないだろう。
そのほかアルファード/ヴェルファイアが搭載する3.5LのV6ガソリンエンジンも用意される可能性がある。これは4ナンバーとはならないが、新型にもワイドボディやハイルーフなど多くのボディ形状が用意されるため、よりパワフルなエンジンを求める層に対応する狙いがある。
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