GT-R、レガシィ、ロードスター……ニッポンが誇る名車の歴代ベストモデルは!?

 これまで日本の自動車業界牽引し、時には世界を驚かせ、多くのファンを熱狂させた名車たち。そのなかで今も販売が続いているモデルはそう多くない。

 現在も販売中の日産 GT-R、スバル レガシィ、マツダ ロードスターの歴代モデル中ベストモデルは、最新モデルか? それとも過去のモデルなのか!?

文:片岡英明
写真:編集部、NISSAN、MAZDA、SUBARU
初出:ベストカー2017年4月26日号


ハコスカからR35型まで計7代!! GT-Rのベストは?

 スカイラインのイメージリーダーだったGT-Rは、常に走りにこだわるライバルたちの目標であり、指標だった。

 なかでも最新のR35とR34は、どちらもデビュー当時、世界トップレベルの実力派だった。

 R35 GT-Rは、レースで数々の経験を積んだ水野さんの渾身の作品だ。後期モデルは櫻井眞一郎さんから薫陶を受けた田村さんが手がけ、大変身を遂げている。

 メイドイン・ジャパンの旗手であり、ポルシェやフェラーリと違う味わいのスーパースポーツカーに仕立てた。

 が、高性能スポーツモデルの世界で10年は長すぎる。すでに旬は過ぎた。また、スカイラインの名を外したこと、これも気になるところだ。

R35型GT-R(2007年-)。今年で登場11年目となる現行モデル

 R34 GT-Rは、直列6気筒エンジンを積んだ最後のGT-Rである。集大成だけに完成度は高く、渡邉衡三さんの思い入れも強い。

バランス感覚が絶妙で走らせても楽しいが、デザインや内装の質感は今一歩だ。上質なパワーフィールは認めるが、ベストなGT-Rとしては物足りない。

R34型スカイラインGT-R(1999-2002年)。最後の直6搭載モデル。発売期間は僅か4年ほどと短い

 ボクは今でも多くのファンに愛され、中古車市場でも人気が高いR32 GT-Rをベスト車に推す。

 圧倒的なパフォーマンスを誇るR34とR35に目を奪われるが、コレクターズアイテムとして最適なのはR32 GT-Rだ。小型車枠のスカイラインの最強モデルなのも魅力だ。

R32GT-R

R32型スカイラインGT-R(1989-1994年) 主要諸元

  • 全長×全幅×全高:4545×1755×1340mm
  • ホイールベース:2615mm
  • 車両重量:1430kg
  • 駆動方式:4WD
  • トランスミッション:5MT
  • エンジン:直6DOHCターボ、2568cc
  • 最高出力:280ps/6800rpm
  • 最大トルク:36.0kgm/4400rpm

原点回帰の最新型は初代を越えた!? ロードスターの歴代ベスト

 絶滅の危機に瀕していた軽量コンパクトなFRスポーツの市場を掘り起こしたのがロードスターだ。オープンカーの傑作として記憶にとどめられ、人馬一体の走りを味わえる。

 マツダはロードスターを手塩にかけて育ててきた。今まで4代のロードスターが生まれてきたが、どの世代も大外れはない。

1989年発売の初代ユーノスロードスター(NA型)と2015年発売の現行型ロードスター(ND型)。現行型は、1.5Lエンジンを新採用。先代NC型の2Lからダウンサイジングさせた

 先代のNC型ロードスターは、持ち味である気持ちいい走りを存分に味わえ、実用性もスポイルされていない。が、愛嬌のあるヘッドライトなど、ファニーフェイスは好き嫌いが分かれるところだ。

 追加されたRHT(リトラクタブル・ハードトップ)も美しいとは言えない。開発時に制約が多かったこともあり、未消化なところが目につく。

NC型ロードスター(2005-2015年)。2Lエンジンを歴代で初めて採用し、3ナンバーモデルに。そのパフォーマンスは歴代最速

 現行のND型は、時代の要請でダウンサイジングしたが、まとまりはいいし、操る楽しさも受け継がれている。

 が、ブリティッシュスポーツを範としたデザインのロードスターが、イタ車の香りを強くしたことに異論を唱えたい。美しいが、ちょっと媚びた、と感じてしまうのだ。

ND型ロードスター(2015年-)。初代への原点回帰をコンセプトにモデルチェンジ。エンジンの小排気量化とともに軽量化も実現した

 やはりベストは、初代のNA型ロードスターだ。開発主査の平井敏彦さんは、バイク感覚の爽快なオープンカーを目指した。

 大胆な発想で、車好きの夢を具現化しようとの思いを抱いて開発し、欲を出さないで割り切った。速いか遅いかではなく、ストレートに楽しい。この主張が明快なのは初代モデルだ。

ユーノスロードスター

ユーノスロードスター(1989-1998年) 主要諸元

  • 全長×全幅×全高:3970×1675×1235mm
  • ホイールベース:2265mm
  • 車両重量:950kg
  • 駆動方式:FR
  • トランスミッション:5MT
  • エンジン:直4DOHC、1597cc
  • 最高出力:120ps/6500rpm
  • 最大トルク:14.0kgm/5500rpm
  • ※Vスペシャルのデータ

日本のワゴン史に残る名車、レガシィの歴代ベスト

 ステーションワゴンに卓越した4WDシステムを組み合わせ、独自の世界を築いたのがレガシィである。エンジンからシャシーまで、すべてが新設計だから、走りの質感はそれまでと大きく違う。どのモデルをベストにするか悩んでしまうほど魅力的だ。

 2代目レガシィは、初代のキープコンセプトで、メカニズムもデザインも正常進化の形をとった。が、商品としてのまとまりがよく、デザインも上手である。小型車枠を守りながら面質は豊かで、フォルムは伸びやか。

 伝統の水平対向4気筒エンジンもモデルチェンジといえるほどの改良を施した。ターボはツインターボだ。2ステージ化することによって低回転域のトルク不足解消とレスポンス向上を図っている。4WDシステムも3タイプを揃えた。

 1996年6月にはエンジンを進化させ、『GT-B』はビルシュタイン製の倒立ダンパーを標準装備。自慢の気持ちいい走りに磨きをかけている。

2代目レガシィ(1993-1998年)。ビルシュタイン製サスを搭載したGT-Bはもちろん、アウトバックの先祖であるグランドワゴン(ランカスター)が設定されたのも2代目からだ

 確かに名車だが、世界に通用する車に成長するのは4代目レガシィからだ。全幅を広げることによって運動性能を高め、軽量化も実現した。また、安全性能も大きく向上している。

 最終モデルではアイサイトを設定し、魅力を大きく広げた。ボクも4代目レガシィに乗っていたから、そのよさはよくわかる。もう一度欲しいくらい、魅力が詰まっている。

4代目レガシィ(2003-2009年) 主要諸元

  • 全長×全幅×全高:4680×1730×1470mm
  • ホイールベース:2670mm
  • 車両重量:1450kg
  • トランスミッション:5MT
  • 駆動方式:4WD
  • エンジン:水平対向4気筒DOHCターボ、1994cc
  • 最高出力:280ps/6400rpm
  • 最大トルク:35.0kgm/2400rpm
  • ※2.0GTのデータ