原点回帰の最新型は初代を越えた!? ロードスターの歴代ベスト
絶滅の危機に瀕していた軽量コンパクトなFRスポーツの市場を掘り起こしたのがロードスターだ。オープンカーの傑作として記憶にとどめられ、人馬一体の走りを味わえる。
マツダはロードスターを手塩にかけて育ててきた。今まで4代のロードスターが生まれてきたが、どの世代も大外れはない。
先代のNC型ロードスターは、持ち味である気持ちいい走りを存分に味わえ、実用性もスポイルされていない。が、愛嬌のあるヘッドライトなど、ファニーフェイスは好き嫌いが分かれるところだ。
追加されたRHT(リトラクタブル・ハードトップ)も美しいとは言えない。開発時に制約が多かったこともあり、未消化なところが目につく。
現行のND型は、時代の要請でダウンサイジングしたが、まとまりはいいし、操る楽しさも受け継がれている。
が、ブリティッシュスポーツを範としたデザインのロードスターが、イタ車の香りを強くしたことに異論を唱えたい。美しいが、ちょっと媚びた、と感じてしまうのだ。
やはりベストは、初代のNA型ロードスターだ。開発主査の平井敏彦さんは、バイク感覚の爽快なオープンカーを目指した。
大胆な発想で、車好きの夢を具現化しようとの思いを抱いて開発し、欲を出さないで割り切った。速いか遅いかではなく、ストレートに楽しい。この主張が明快なのは初代モデルだ。
ユーノスロードスター(1989-1998年) 主要諸元
- 全長×全幅×全高:3970×1675×1235mm
- ホイールベース:2265mm
- 車両重量:950kg
- 駆動方式:FR
- トランスミッション:5MT
- エンジン:直4DOHC、1597cc
- 最高出力:120ps/6500rpm
- 最大トルク:14.0kgm/5500rpm
- ※Vスペシャルのデータ
日本のワゴン史に残る名車、レガシィの歴代ベスト
ステーションワゴンに卓越した4WDシステムを組み合わせ、独自の世界を築いたのがレガシィである。エンジンからシャシーまで、すべてが新設計だから、走りの質感はそれまでと大きく違う。どのモデルをベストにするか悩んでしまうほど魅力的だ。
2代目レガシィは、初代のキープコンセプトで、メカニズムもデザインも正常進化の形をとった。が、商品としてのまとまりがよく、デザインも上手である。小型車枠を守りながら面質は豊かで、フォルムは伸びやか。
伝統の水平対向4気筒エンジンもモデルチェンジといえるほどの改良を施した。ターボはツインターボだ。2ステージ化することによって低回転域のトルク不足解消とレスポンス向上を図っている。4WDシステムも3タイプを揃えた。
1996年6月にはエンジンを進化させ、『GT-B』はビルシュタイン製の倒立ダンパーを標準装備。自慢の気持ちいい走りに磨きをかけている。
確かに名車だが、世界に通用する車に成長するのは4代目レガシィからだ。全幅を広げることによって運動性能を高め、軽量化も実現した。また、安全性能も大きく向上している。
最終モデルではアイサイトを設定し、魅力を大きく広げた。ボクも4代目レガシィに乗っていたから、そのよさはよくわかる。もう一度欲しいくらい、魅力が詰まっている。
4代目レガシィ(2003-2009年) 主要諸元
- 全長×全幅×全高:4680×1730×1470mm
- ホイールベース:2670mm
- 車両重量:1450kg
- トランスミッション:5MT
- 駆動方式:4WD
- エンジン:水平対向4気筒DOHCターボ、1994cc
- 最高出力:280ps/6400rpm
- 最大トルク:35.0kgm/2400rpm
- ※2.0GTのデータ
コメント
コメントの使い方