レクサスのコンパクトクロスオーバーSUV「UX」が登場したのは、2018年11月。実は、2020年1月から6月期の累計販売台数は4448台と、人気SUVのRXを抑えて、レクサスブランドの中ではトップの販売台数を勝ち取っている。
このUXは、レクサスのSUVラインアップの中で、車格が最も低いエントリーモデルである。コンパクトなサイズと個性的なデザイン、そして、レクサスとしては手ごろな価格も、人気の理由のひとつだ。
しかし、「エントリーモデル」とはいえ、「レクサス」である。UXを手に入れたとして、UXでレクサスの持つ魅力を存分に味わえるのだろうか。本記事では、レクサス最小SUV「UX」を深堀し、ちゃんと「レクサス」なのか分析してみようと思う。
文:吉川賢一/写真:LEXUS、Mercedes-Benz、BMW、Audi
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レクサスの中でもダントツに運転しやすい
レクサスUXのボディサイズは、4495×1840×1540mm(全長×全幅×全高)。同じGA-Cプラットフォームを使っているCH-Rよりもサイズはひとまわり大きいが、全高が抑えられていることで、C-HRよりも低く構えたようなスタイルとなっている。
そのため背高のSUVではなく、コンパクトカーとSUVのクロスオーバー的な印象が強い。
また、最小回転半径が5.2mと、コンパクトSUVの中でも小さく、都内でも取り回しのしやすい絶妙なボディサイズもあり、運転は抜群にしやすい。ちなみに、NXは最小回転半径5.6m(18インチ)、RXは5.9mだ。
これぞレクサス!」とするには、あともう一工夫!?
エクステリアデザインは、上位クラスのNXやRXと比べても劣らないカッコよさがある。イカついスピンドルグリルのフェイスや、ボディサイドに走るキャラクターラインの深い掘りなど、シャープな印象を持っており、どこからどう見てもレクサスだと間違えることはないだろう。
ただ、やや物足りないのがインテリアだ。内装に用いられている素材や個々のパーツには、400万円に手が届く車両価格相応の豪華なつくりをしているのだが、NXやRXといった高級SUVとはまた違い「トヨタ車のにおい」が漂っている。
それはディテールというよりも、全体の雰囲気から漂うように感じる。センタークラスタに整然と並べられたスイッチ類や、メーター周りのデザイン、ドアインナーパネルなど、普段目に入る部分の使い勝手を優先したがために、「デザインの遊び」が感じられないのだ。
その点、NXやRXには、押し出しの強さがあり、高級感と高品質感が伝わってくる。NXに高級感がないわけではなく、デザイナーの遊びを、もっと見てみたい、というのが感想だ。
レクサスUXは女性ユーザーをターゲットにしているという。ステアリングホイールの大きさや、操作スイッチの押しやすさ、運転のしやすさなど、よく練られていると思う。
ただ、エクステリアのイカつさに加えて、インテリアも、男性好みな「コックピット感」があるように思える。
明るめのシートカラーや、ダッシュボード上の一部などは、色味が変更できるが、もし自分が開発担当者ならば、さらに内装のカラーも明るいベージュをテーマに、現状のブラックとのどちらかを選択できるようにするなど、クルマの雰囲気をより明るくするような選択肢も用意しただろう。
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