ソニカ セルボ 2代目Z… 存在感はあったけど表舞台は遠く “スター”になれなかったクルマたち

 どんな世界でもそうだが、未来を託され期待されながら表舞台に届かなかった人や出来事や商品がある。

 しかしこれもまたどんな世界でもそうであるように、表舞台に届かなったからこそ、人の記憶に残り続ける人や出来事や商品がある。

 奇しくも(あるいは必然として)短命に終わり、そしてそれ故に深い印象を刻んだクルマたちを振り返る。

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文:清水草一/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年8月10日号


■きら星のごとく現れ、そして消えていったクルマたち7台

 イケそうだったのに、スターになれなかったコンパクトカーたちと言えば、まず思い出すのはダイハツのソニカ! 実に上質な軽自動車で、スタイリッシュで走りもよかったが、軽自動車にそういう要素を求めるユーザーはすでにほとんどいなくなっていたのですね。ダイハツの挑戦はアッパレだったが。

ダイハツ ソニカ(2006年)…2005年の東京モーターショーに出展されたSKツアラーの市販バージョン。最近の軽自動車で例えるならN-BOXスラッシュのようなコンセプトを持つモデルだった。乗り心地の悪さ以外、その資質は充分だったのだが……

 同じくスズキのセルボも、スタイリッシュな軽を狙ったけど、こっちはそもそもデザインが煩雑。そういう声も出ないほどの空振りで終わりました。

スズキ 5代目セルボ(2006年)…セルボとしては8年ぶりに復活したモデル。コンセプトはソニカに近いが、全体的にセルボのほうがライトな印象だった

 ホンダZはホンダらしい超意欲作だった。なにしろミドシップだったんだから! でも乗ってみたら、ミドシップのメリットがゼロ! 重心は高いし後席は床が高くて狭苦しいし。なんのためにミドシップにしたのか、わかりません。ありゃ売れなくて当然だ。

ホンダ 2代目Z(1998年)…リアシート下にエンジンを置くUM-4レイアウトを採用した軽クロスオーバー。衝突安全性は高かったが、それ以外のメリットは皆無だった

 軽ばっかり続くけど、三菱iは素晴らしかった! こっちもミドシップだけど、とにかくメッチャカッコよかった! あまりにもカッコよすぎて売れなかった。「目立ちすぎる」「こんなの田舎じゃ乗れない」って。涙。

三菱i(2006年)…実質RRとなるプレミアム性も備える軽自動車。こちらもRRのメリットは微妙だが、EVのi-MiEVが今も販売されているのは大きな救いだ

 ダイハツエッセは、軽の原点に返ったクルマで、デザインも秀逸でクルマ好きの支持が集まった。私も5MTをわざわざ買いました! 軽いからNAでも軽快に走ったよ! でもあんまり売れなかった……。値段も安かったんだけど、なんでかなぁ。ミライースは売れてるのになぁ。

ダイハツ エッセ(2005年)…ミラよりも下の車格に位置するモデルとして登場。「とにかく安く」というコンセプトだったが、それでいながら不思議と安っぽさはなく、むしろシンプルさや素材のよさに好感を覚え、それは運転しても同様だった

 小型車では、ロゴの空振りが光ってた。走りもパッケージングもよくて、いかにも売れそうだったんだけど、値段がちょっとだけ高すぎた。やっぱりコンパクトカーは値段が命なんだよね。

ホンダ ロゴ(1996年)…シティの後継車として登場したロゴは全体的に実用性を重視した点はよかったが、それがいき過ぎたものだったため浮上できなかった

 みごとすぎる空振りだったのは、ミラージュディンゴだ。あの前期型モデルのずっこけデザインは死ぬまで忘れられない。あれがバカ売れしていたら、日本の風景が妖怪っぽくなってたかもしれないぜ! あれが製品化されたのは今でも謎だ。

三菱ミラージュディンゴ(1999年)…フロントマスクがある種のインパクトを感じる初期型、初期型のグリルを変えた中期型、全面的に手を加えて実にオーソドックスなものとなった後期型と3年8カ月という短いモデルサイクルで3つもあったことには改めて驚かされる

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