どんな世界でもそうだが、未来を託され期待されながら表舞台に届かなかった人や出来事や商品がある。
しかしこれもまたどんな世界でもそうであるように、表舞台に届かなったからこそ、人の記憶に残り続ける人や出来事や商品がある。
奇しくも(あるいは必然として)短命に終わり、そしてそれ故に深い印象を刻んだクルマたちを振り返る。
【画像ギャラリー】不運の重なりか、必然だったのか? 短命に終わった7台のクルマたちをギャラリーでチェック!!!
文:清水草一/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年8月10日号
■きら星のごとく現れ、そして消えていったクルマたち7台
イケそうだったのに、スターになれなかったコンパクトカーたちと言えば、まず思い出すのはダイハツのソニカ! 実に上質な軽自動車で、スタイリッシュで走りもよかったが、軽自動車にそういう要素を求めるユーザーはすでにほとんどいなくなっていたのですね。ダイハツの挑戦はアッパレだったが。
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同じくスズキのセルボも、スタイリッシュな軽を狙ったけど、こっちはそもそもデザインが煩雑。そういう声も出ないほどの空振りで終わりました。
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ホンダZはホンダらしい超意欲作だった。なにしろミドシップだったんだから! でも乗ってみたら、ミドシップのメリットがゼロ! 重心は高いし後席は床が高くて狭苦しいし。なんのためにミドシップにしたのか、わかりません。ありゃ売れなくて当然だ。
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軽ばっかり続くけど、三菱iは素晴らしかった! こっちもミドシップだけど、とにかくメッチャカッコよかった! あまりにもカッコよすぎて売れなかった。「目立ちすぎる」「こんなの田舎じゃ乗れない」って。涙。
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ダイハツエッセは、軽の原点に返ったクルマで、デザインも秀逸でクルマ好きの支持が集まった。私も5MTをわざわざ買いました! 軽いからNAでも軽快に走ったよ! でもあんまり売れなかった……。値段も安かったんだけど、なんでかなぁ。ミライースは売れてるのになぁ。
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小型車では、ロゴの空振りが光ってた。走りもパッケージングもよくて、いかにも売れそうだったんだけど、値段がちょっとだけ高すぎた。やっぱりコンパクトカーは値段が命なんだよね。
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みごとすぎる空振りだったのは、ミラージュディンゴだ。あの前期型モデルのずっこけデザインは死ぬまで忘れられない。あれがバカ売れしていたら、日本の風景が妖怪っぽくなってたかもしれないぜ! あれが製品化されたのは今でも謎だ。
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