■3位 アバルト595
ここで輸入車勢にも目を向けてみると、ホットハッチの本場ヨーロッパの並み居るキャラの立ったモデルたちが、これまた甲乙つけがたい。
そのなかで、あえて順位をつけると、イチオシはアバルトだ。これを総合の3位としたい。パンチの効いたエンジンとはじけるエキゾーストサウンドに、キビキビとしたフットワーク。
「痛快」という言葉がこれほど似合うクルマはない。それをこの個性的なデザインとともに楽しめる稀有なクルマである。
洗練度はそれほど高いわけではないが、面白さではピカイチだ。むろん「695」のほうが速いが、いかんせん高価。「595」のほうが価格もリーズナブルで扱いやすく、それでいて充分に刺激的なので、595のほうがお薦めだよね。
■4位 プジョー208GTI byプジョースポール
4位以降も大いに悩むところだが、輸入車の顔ぶれのなかでけっこう刺さったのはプジョー208GTI byプジョースポール。
やはりこういうクルマは突き抜けていたほうが面白い。しかもけっして無茶しているわけではない。そのあたりのさじ加減が巧いのも、このクルマならでは。
ラテン系に比べるとドイツ勢は、むろん性能は充分に高いが、こういうクルマでもカチッとしていてスキがない感じ。いたって生真面目。それがイイという人もいるだろう。でも今回はあえて外すことにしたい。
■5位 ホンダS660
そして5位をどうしようかと思って目を向けたのが軽スポーツ。個人的にもかなり気に入っているS660だ。サイズは軽自動車でエンジンは660cc。
それでも作りは本格的なミドシップスポーツというクルマ。ドライブしても文句なく楽しい。ミドシップならではのハンドリングを、こんなにも手軽に味わえるところにも大きな価値がある。いろんな意味で小さくても存在感のある1台に違いない。
ここで述べておきたいのは、完成度の高さという尺度と乗って感じる楽しさという尺度は、必ずしも一致しないことだ。
たとえばフィットRSは、マイナーチェンジで大幅に洗練度が増して、上質なドライブフィールを得た。半面、いかにもスモールスポーツっぽいエキサイティングなテイストは、ややなりをひそめた。
いわば大人のスモールスポーツになったわけだ。デミオMB15の印象もそれに近い。むろんそういう味が好きな人もいるだろうが、ここでの順位は楽しさを基にしているので、ご了承いただきたい。
ところで、まだ乗っていないが、まもなく登場するスイフトスポーツが聞いたところでは相当な力作らしい。おそらく完成度が高くて楽しさも兼ね備えていそう。大いに期待したいところだ。
とにかく、こうした安くてワクワクさせてくれるクルマが増えるのは大歓迎だよね。
■【番外】スズキ スイフトスポーツ(by編集部)
残念ながら登場直後でこのランキング制定時点ではまだ試乗できていないため「番外」とさせていただいたが、本企画の主旨からいって新型スイフトスポーツは国産スモールスポーツの大本命。
選出&ランキングをつけていただいた岡本氏も期待にあふれた原稿を書いてくれていたが、ベストカー編集部も熱く注目している。
スイフトスポーツの4代目は歴代で初めてターボエンジンを搭載。この1.4Lターボは140psと最高出力はそれほどでもないが、2500回転から3500回転までの間に発生する23.4kgmの最大トルクがポイント。
低中速トルクが厚い欧州車的な走りになっていることは想像に難くない。
先代に対し70kgも軽量化し、1トンをきった970kgの車重と、全幅を広げることで前後ともに40mm広がったトレッドにより、軽快さと安定性が増していることも予測できる。
米モンロー社製のダンパーがいい仕事をしてくれることも歴代モデルで実証済みだし、それに加えてベース車の走りのよさも鑑みると、死角がまったく見当たらないのだ。早く乗って確かめてみたい!
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