■最近スポーツイメージの強いトヨタ”GR”のベストバイコンプリートは?
トヨタには、「ワークス」と呼べるカスタマイズブランドがいくつかあるが、正真正銘のワークスとなるのがこちらである。
これまでは「G‘s」や「GRMN」などと呼んでいたコンプリートカーが、2017年4月の「GR Company」の始動により、今後は「GR」シリーズに統一されることとなった。
その中で「GRスポーツ」、「GR」、「GRMN」という3段階にチューニングを施したコンプリートカーをラインアップしていくことは既報のとおりだ。なお、「GR」とは「GAZOO Racing」を意味する。
このGRシリーズについては、まだ全容が見えないのが悩ましいところだが、すでに設定のある、もしくは近いうちに設定予定で試乗することのできた車種については、ほぼすべて足まわりの仕上がりは上々であった。
ただし、パワートレインに手を入れていないことが惜しまれる車種が少なくないのも事実だ。そこで、現状でも十分な動力性能と、楽しさを直感させるフットワークを身に着けていることから、「86 GR」をベストバイとしたい。
見た目にあまり派手さはなく控えめながら、走りのキモとなる部分には、600万円超の価格で限定販売され、走りが絶賛された「86 GRMN」のエッセンスが盛り込まれている。
その走りは、まさしく意のまま。走る、止まる、曲がるのすべてが、見事なまでにリニアに味付けされている。FRスポーツの走りを極めた、素晴らしい仕上がりだ。
■ホンダのワークスカスタムはModuloと無限の選択肢
「モデューロ」ブランドを擁するホンダアクセスでは、ホンダ車の魅力をより引き立てるカスタマイズを目的に、各種純正アクセサリーを豊富にラインアップしている。
そこから一歩進んで、「誰もが、いつでも、どんな道でも、気持ちよく走りを楽しめる」のコンセプトをより高い次元で実現するため、「モデューロX」と名づけたコンプリートカーに着手し、これまでN-BOX、N-ONE、ステップワゴンの3車種を送り出してきた。
むろんコンプリートカーだからこそ実現できるトータルチューニングがモデューロXの醍醐味だが、中でも特筆すべきは足まわりと空力だ。そのよさは3車種のどれに乗っても共通して感じられる。
しいてベストバイを挙げるなら、ミニバンでありながらここまで仕上げたことに感心せずにいられない、ステップワゴンとしたい。
ロールを抑えて運動性能が引き上げられているが、乗り心地が悪化することはない。むしろ振動が瞬時に収束するので、よくなっているくらいだ。
高速巡行時にはフラット感があり、車体の下に空気のレールがあるかのような、優れた直進安定性とライントレース性にも感心させられる。
なお、モデューロではコンプリートカー以外にも、セットで装着することでより高い効果を得られるよう、サスペンションやエアロパーツ、ボディ補強パーツなどをパッケージとしたメニューを、いくつかの車種に向けて用意している。
S660は専用のホイールまで用意しており、その走りは素晴らしい仕上がりだ。
またホンダ車には、よりスポーツ色の強い、M-TECの「無限」というブランドがあるのもご存知のことだろう。
ときおり限定販売するコンプリートカーの注目度も高く、最近では即座に完売したS660も記憶に新しいが、少し前にはCR-Zや先々代シビックタイプRなどを手がけた。
単品のアイテムでは、アグレッシブな意匠のエアロパーツ、運動性能と快適性を見事に両立したサスペンション、耐フェード性やコントロール性を向上するブレーキ関連あたりがとくに得意な印象だ。
スポーツ系を中心に幅広くホンダ車を手がける中で、これは!と感じたのがフィット。RS、ハイブリッド、スタンダードと、それぞれの走行特性とキャラクターに合わせてきめ細かくパーツをラインアップしていることに驚く。実際にもフィットで無限製パーツの装着率が比較的高いのはうなずける。
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