■アヴェンタドールは究極の存在感で勝負!!
いっぽうのアヴェンタドールS(4490万4433円)。こちらはアヴェンタドールの大幅改良版で、ポイントは40馬力のパワーアップと4WS化によるコーナリング性能の向上だ。
プラス、ルックスも若干戦闘的になっている。アヴェンタドールは、カウンタック以来のシザースドアを持つランボルギーニの旗艦だが、走りはいかにも4WDらしいアンダーステア傾向でV12エンジンのフィールも重々しく、走りよりその存在感で選ぶクルマだった。
もともとランボルギーニとはそういうクルマであるから文句はないが、今回の「S」の主眼は、走りのカイゼンである。ジムカーナにトライすると、確かに以前のアヴェンタドールよりクイックに曲がる。
公道での取り回しも大きく向上しているようだ。5000rpmから上で早くも重さを感じたエンジンも、以前よりシャープに回る。
が、富士のメインコースを走ると、超高速域で微妙な不安定さがあった。300km/h近い領域ではダウンフォースが不足し、4WSも神経質な方向に働いているようだ。
なにせウラカン・ペルフォルマンテの走りがあまりにも完璧だったので、落差は大きかった。ランボのテストドライバー氏にも、「ペルフォルマンテと同じように走ると吹っ飛びます」と釘を刺された。
しかし、このクルマの主眼はやっぱり走りより存在感。”ドアが上に開くでっかいランボルギーニ”であればそれでいいんじゃないか?
低速域では4WSが逆位相に動き、取り回しも改善されたし。これはこれで完璧に正しい方向性だ! あと一歩4WSを煮詰めてくれれば文句ない。
究極の走りを見せるウラカン・ペルフォルマンテと、究極の存在感を放つアヴェンタドールS。スーパーカーブランドとして完璧すぎる組み合わせではないか! 我が道を行くランボに喝采である。
この2台に接すると、現在のフェラーリのラインアップが、どうにも物足りなく感じてしまう。無念。
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