■三菱デリカD:3 2017年1月販売台数1台
同じ2017年1月で驚いたのがデリカD:3の1台。
1台って。
「日産NV200のOEMの僕なんだけど、本家は同じ1月に79台、2月は166台という数なのにどうしてなんだろ……。使い勝手はアルファードなどのLクラスミニバンよりすばらしいと思うんだけど」
と自画自賛しつつ、つぶやくD:3君。渡辺さん、どうして1台という数字なんスかね?
「ディーラーが売る気がないんでしょうね。販売の現場は数を売りたいので、D:3よりは低価格のD:2(こちらはスズキソリオのOEM車)のほうに力が入っているんでしょう。
さらに、NV200そのものの価格設定が高い。1.6Lなのにセレナの廉価グレードとほぼ同じの約233万円は高すぎます。D:3はその煽りを受けている感じですね」
三菱で人気のACTIVE GEAR仕様を出して、起死回生を図るしかないね。
■スズキSX 4 S-CROSS 2017年1月販売台数13台
3月決算の翌月ということもあり、販売超低調車が目立つのが4月。スズキSX4 S CROSSは13台だ。ハンガリー生まれなので「おっ、輸入車か!」と勘違いして買う人もいそうだが(←いるわけないだろ)、この数字。
「ハンガリーからの輸入車をしょぼしょぼ売っている感じ。例えば商談で好みの色がないと“じゃ、その色が入ったらまた買いにくるわ”となるなど、バンバン売っている状況じゃないと思う。
で、このクルマはアイドリングストップなし自動ブレーキなし。かたや同じプラットフォームのエスクードにはそれらが付いている。
同じようなキャラのエスクードにお客が流れるのは当然のこと。また、7月のマイチェンが知られていて、買い控えで13台ということもあるでしょうね」
とは渡辺陽一郎氏の分析。
■スズキエスクード2.4 2017年5月販売台数18台
上記のとおり、SX4 S-CROSSのお客さんがエスクードに流れているというのであれば、気になるのがエスクードの販売台数。どんなもんかなと思って調べてみると、エスクード2.4が2017年5月=18台という数字。
お、おう……。
「2.4」はいわゆる旧型モデルで8月生産終了となったが(現在は直噴ターボ搭載の1.4となる)、これはちょっと寂しい数字じゃないか。
「このクルマ、実は超お買い得です。FRベースの2.4Lで、センターデフ付き、副変速機もある。これで176万円からあるから、コスパは高い。
まずまず売れていたら、現行モデルとの併売も続いただろうに、実に惜しいですよね。こんなにお買い得ですよとスズキのディーラーへ言うと『え、そうなんですか』と驚く(笑)。それじゃダメだよね。売れないですよ」
とは渡辺陽一郎氏。
「たくましいセンターデフ付きで男の価値が上がると思ったんだけどよ~。今のシティ感覚のSUVの時代じゃ、クロカンの匂いがする俺なんてお呼びじゃないということかい」
と、男らしく散るエスクード2.4君であった……。
■ホンダレジェンド 2017年4月販売台数20台
いっぽう2017年4月、それまで低空飛行を続けていたレジェンドがついに20台という月販台数を記録。
ホンダのフラッグシップがこの数字では“旗艦”も沈んじゃいますよ。渡辺さん、どうなんでしょ?
「この場合もディーラーが売る気がないし、買う人もいない。ハイブリッドシステムをはじめホンダの技術を詰めこんだ一台で、確かに力を入れているモデル。室内は広いし質感はいいし、オーディオも凝っている。このクラスで680万円だからコスパもいい。
でもそもそもの話として680万円のホンダを買う……という需要がないということだろうね。この価格のセダンならホンダに限らず、輸入車にいくのが実情でしょう。悲しいかな」
なるほど。当のレジェンドさんはどう感じているのか?
「以前は私だって大衆車に近い存在でしたよ。好きで680万円モデルになったんじゃないんだよ……。最新技術をこんなに盛られない身軽なクルマになりたいよ。はぁ~(深いため息)」。
ちなみに2017年9月の販売台数は11台。大丈夫、あとは上昇するだけだ。
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