■清水草一が考える「クルマのスルメ的ポイント」
まず、あまり大きな期待を持たないタイプであること。メカもルックスも、やや平凡なくらいが望ましい。ブサカワ系であれば最高。ただし、何かひとつ光る部分を持っていること。燃費でも使い勝手でも足回りでもなんでも。
そういうクルマに乗ると、ダメな部分も含めて「でも、いいヤツなんだよね」という感じで愛が深まっていく。期待値が低い平凡なクルマだけど、キラリと光る何かがあると、乗れば乗るほどその健気さに愛が湧き、スルメのようになっていく……気がする。
個人的には、シトロエン・エグザンティアブレークがそうでした。生涯最長の7年半乗りました。
■清水草一のスルメグルマ3台
●ダイハツ ロッキー
あくまで予感だけど、ロッキーはスルメだ! なぜって、まずロッキーにはあまり大きな期待はしないでしょ。ところが乗るとこれが意外とイイ。シャシーはDNGAだから意外としっかりしてるし、1Lターボエンジンは加速がいい。スタイルは平凡だけどボクシーで意外と飽きがこない。内装の質感はともかく意外と便利だ。すべてが期待を上回るスルメグルマだ!
●トヨタ カローラツーリング
「カローラ」という名前には、平凡以上のものはあまり期待しないはずだけど、現行カローラは平凡をはるかに超えている! パワートレーンも足回りも内外装も燃費も、すべてが非凡と言ってもいい! なかでもツーリングは、ラゲッジの使い勝手もあって、乗るほどに「これ以上のクルマはない!」って思えてくる気がしてならない。まさにスルメグルマ!
●BMW 2シリーズアクティブツアラー
見た目はまるでカバ。BMWなのにどうにも不格好だ。でもBMWのブランド力は凄い。不格好でも一目置かれる。しかも走りがメチャメチャいい! 正直なところ、FRの3シリーズあたりよりハンドリングが素直だし、ロングドライブは得意中の得意。サイズも適当で使い勝手がいい。乗れば乗るほどいいクルマ感に満たされ、大満足してしまうだろう。
【番外コラム】長く味わってる?日本人の平均自動車使用年数は何年?
実際、日本人はスルメのように長くクルマを味わっているのだろうか? ふと疑問に感じて、企画担当、日本人の平均自動車使用年数を調べてみました。
一般財団法人自動車検査登録情報協会の統計情報によると、新車を買ってから買い替えるまでの期間(これを車齢と呼ぶ)は、2019年3月31日までの集計によると、乗用車は8.65年となっています。27年連続(!)で伸びており、25年連続で過去最高を更新しています。
ちなみに、1990年は4.64年、2000年は5.84年、2010年は7.56年。普通車より小型車のほうが約1年長く乗られています。
スルメグルマが日本人に求められていることが、データからも証明されました。企画担当の自信が確信に変わった瞬間です。
コメント
コメントの使い方