新型コロナ禍による大きな打撃を受けた観光業界への支援策として政府が開始したGoToトラベルにより、観光地への人の動きは大きく回復している。
電車や飛行機での旅が宣伝されているが、NEXCO各社が用意している高速道路周遊パスでのクルマの旅(宿泊費+高速道路代も支援対象)もお薦めだ。
具体的には、高速道路会社ではGoToトラベルを使った宿泊と組み合わせることを条件に、特定の周遊区間の高速道路代を実質半額にする「高速道路周遊パス」を用意しているのだ。
新型コロナ感染症が猛威をふるっているが、自家用車での移動はバスや電車、飛行機などの公共交通機関よりも比較的安全である。
感染拡大にはくれぐれも注意が必要で、行く場所は慎重に選んだほうがよいし、旅行先でも行動には注意すべき。それでも経済を回すため、GoToキャンペーンを使って観光地を応援したい。
そこで、「GoToトラベル×高速道路周遊パス」とはどんなものか、紹介していきたい。
文/永田恵一
写真/NEXCO東日本 Adobe Stock トビラ写真(metamorworks@Adobe Stock)
【画像ギャラリー】NEXCO東日本 GoToトラベルキャンペーン×高速周遊パス対象7エリアをチェック!
GoToトラベルってどんなもの?
「高速道路周遊パス」を紹介する前に、「高速周遊パス」を利用する条件となるGoToトラベルをおさらいすると、GoToトラベルは1人1泊4万円までの宿を対象に宿泊費を政府支援により実質半額にするというものだ。
宿泊費が半額になる内訳は、半額のうちの70%(基準となる宿泊費の35%)が宿泊費の割引、半額のうち30%(基準となる宿泊費の15%)がお土産などの購入に使える地域共通クーポンによるものである。
高速道路代が実質半額になるGoToトラベル+「高速道路周遊パス」って?
そもそもあまり知られていなかったようだが、各高速道路会社は特定の周遊区間の高速道路代がETC割引なども含めた使い方にもよるにせよ、それなりに安くなる「高速道路周遊パス」というものを用意していた。
それがどういうものかというと、期間内なら定額料金で対象区間内の高速道路が乗り降り自由になるというものである。
■一例/NEXCO東日本GoToトラベル対象コース:群馬・長野・新潟
●2日間、普通車の場合
・定額:1万1000円
・GoToトラベル適用後料金:支払い実額7150円(給付額3850円)
地域クーポン算出料金:1650円
●2日間、軽自動車の場合
・定額:8800円
・GoToトラベル適用後料金:支払い実額5720円(給付額3080円)
地域クーポン算出料金:1320円
一例としてNEXCO東日本が展開する“ドラ割”のなかから群馬・長野・新潟を挙げると(そのほか北海道、東北6県、北東北、南東北、栃木・茨城、千葉・茨城など6つある)、普通車の場合2日間/1万1000円と3日間/1万2000円(軽乗用車は普通車の20%引き)というプランがある。
例えば普通車を使って平日午前8時出発で関越道を利用して東京都の練馬インターチェンジから新潟県の長岡インターチェンジに行くとすると、ETCを使った場合で5920円の高速代がかかる。
そのため片道200km以上移動し、乗り降りを数回するなどすれば元は取れる料金設定だ。
「高速道路周遊パス」も宿泊費が実質半額となるGoToトラベルと組み合わせることで、高速道路代がGoToトラベルと同じく実質半額になるのだ。
実質半額と書いたように「高速道路周遊パス」で高速道路代が半額になる内訳もGoToトラベルで宿泊費が半額になる仕組みと同様で、半額のうちの70%(基準となる「高速道路周遊パス」代の35%)が「高速道路周遊パス」の割引、半額のうち30%(基準となる「高速道路周遊パス」代の15%)がお土産などの購入に使える地域共通クーポンによるものである。
この制度と同じものがNEXCO中日本の”速旅”とNEXCO西日本の”みち旅”だ。近いものでは2日間の周遊高速代が35%引きになる阪神高速の周遊パス(普通車で3200円が2080円が)あるが、高速道路代からの地域共通クーポンの配布はない。確かに阪神高速道路の区間は大阪市内、神戸市内(ユニバーサルスタジオジャパンなど観光地は多い)で展開されている。
具体的な料金は例に挙げたNEXCO東日本の“ドラ割”の群馬・長野・新潟3日間周遊パスの場合、定価1万2000円がGoToトラベルによる割引35%で7800円となり、15%ぶんとなる1800円分の地域共通クーポンの配布を引くと実質6000円という具合だ。
6000円の高速代は周遊区間内でそれなりの距離を走ればすぐに元が取れ、さらに遠くまで足を伸ばしたり、乗り降りを繰り返せば非常に割安だ。
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