トヨタライズの勢いが止まらない。昨年10月に発売された直後は、登録台数は月間6,000~7,000台であったが、今年2020年に入って月間10,000台を超え、コロナ禍の影響で一時落ちたものの、10月の販売台数も13,256台と、発売から一年となるにもかかわらず、いまだその勢いは衰える気配を見せない。
ライズの凄さは、SUVなのにこれだけ売れていることにある。同じくトヨタのSUVで大ヒットしているヤリスクロスは、発売直後の9月の販売台数が,ヤリス全体(2万2066台)のおよそ3割、というから、数にすると約7,000台だ。ライズ9月の販売台数は13,077台であるから、ライズは、発売直後のヤリスクロスの倍近く、売れていることになる。
ライズは何がよくてこれほどまでに売れているのか。ライズ爆売れの理由を考察していく。
文:吉川賢一
写真:TOYOYA、TCD、ベストカー編集部
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ライズ/ロッキーの最大の魅力は「良品廉価」
ライズのヒット要因をひと言でいうならば、「良品廉価」にある。5ナンバーサイズとは思えない、プチRAV4といった感じのドシッとしたエクステリア、ボディサイズに対して大きなタイヤ、プラスチック素材は多いが、先進的な雰囲気を持ち、上手くまとめられたインテリア。それでいて、四角いボディのため、視界が良くて運転がしやすい。
さらには、排気量1.0リッターターボエンジンとは思えないほどにトルク感があり、発進時にはそれなりに強い加速が得られる。
オフロードをガシガシ走破する本格的なクロカンや、オンロードからオフロードまで万能でこなせるSUVは不要。クロカンやSUVの「雰囲気」があれば十分、と感じるユーザーにとって、主要グレードが200万円前後で買えるライズ/ロッキーは、ぴったりなモデルなのだろう。
昔に比べてクルマが大型化しているのは、皆さんもご存じの通り。「ニッポンの大衆車」カローラも、ついに現行型から車幅1745ミリにまで拡幅、3ナンバーサイズに突入した。コンパクトに見えるヤリスクロスも全幅は1765ミリもある。
これは、デザインの自由度向上といった理由もあるが、法規制で年々厳しくなる側突に対する安全性確保と、車室内の居住性を両立するため、というやむを得ない事情もある。
しかし、ライズ/ロッキーの衝突安全性が低いというわけでは決してない。ライズ/ロッキーは、JNCAPで最高ランクのファイブスターを獲得しており、安全性能は太鼓判を押されている。
ライズ/ロッキーがこれだけコンパクトに仕上がったのは、車室内のスペースを計算し、極限までパッケージングにこだわった、ダイハツの技術力の賜物だ。
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