■走りは上々、気分も上々!!
質素なインテリアに似つかわしくない豪勢なウッドステアリングに妙な違和感を感じつつ、ハンドルを握る。出だしは図太いトルクでグイグイ進む。地面を蹴る力を存分に感じながら走っていく。
これは2WDモードでもその車重のおかげか伝わってくる。FRだからといって当然ハンドリングがいいわけもない。むしろ4WDモードのほうが鼻先が軽い。そりゃそっか、4WDありきのクルマだもの。
乗り心地は懐かしい。オンロードで乗るぶんには近年のSUVのようなガッチリした足回りではない。かといってかつてのパジェロのような「クロカン」といった硬派な感じでもない。
ちょうどその中間ともいうべきか。個人的にはちょうどいい。高速道路の100km/h巡航も低い回転数で巡航できるし、巷で言われているほどパジェロのオンロード性能は悪くない。たしかに固いし揺さぶられることもあるが「パジェロなんだから」で片付くほどのレベル。
途中アイスバーンのワインディングも通ったが、怖いもの知らず。ぐいぐいと、そして着実に進んでいく。凍結防止剤と泥でリア周りがどんどん汚れていくがそれもまたいい。
最近のSUVならぜったいに入りたくない凸凹道でもこの車高であれば怖くない。ちょっと寄り道して悪路を走っていける環境にあるのなら、進んで入っていきたい。そうやってスタックするクルマも多いのだが。
目的地の群馬県の山奥に到達。気温は氷点下7度。なんだかパジェロに乗っているとひとつ強くなった気がする。
それこそが「4WD」であるし、不安なく確実に目的地につけることこそこのクルマの目的なのだ。現在自衛隊でも73式小型トラックとして、このパジェロのDNAは究極の環境下で使われている。
パジェロはたしかに古くさい。エアサスで減衰調整もできないし、自動ブレーキもない。
けれどパジェロでなければならないというユーザーがいる限り、パジェロは生き続けるはずだ。
もしかしたら新車で買うのはラストチャンスかもしれない。ヘビーに使える一生物の相棒を探している人はお急ぎを。
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