【トヨタ、マツダらが発売したが…】今こそこういうクルマがほしい!! 6選

■トヨタオーパ 2000年5月〜2005年12月

トヨタ オーパ
トヨタ オーパ

 オーパはユニークな5ドアハッチバック。全長は4250mmと短いが、プラットフォームはプレミオ&アリオンと共通で、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2700mmに達する。

 この数値は現行プレミオ&アリオンと同じだ。そのためにタイヤがボディの四隅に配置され、全高は1525mmと比較的低いから、視覚的にも安定した外観となった。

 しかし空間効率の優れた5ナンバー車でありながら、売れ行きは芳しくなかった。15年前はまだミニバンに勢いがあり、2列シートのオーパはヒエラルキーで下に見られたからだ。外観の見栄えも当時では新鮮過ぎた。

 さらに後席の格納方法が、座面を前側に反転させて背もたれを倒す方式だから、荷室床面は長くできたが後席の背もたれが低かった。同様の方式がナディアにも採用されたが、後にSグレード以外は一般的な格納方法に変更されている。

 オーパは低重心でホイールベースが長く、優れた走行安定性と使い勝手の良い荷室を兼ね備えたが、ミニバンを含めて居住性を重視する当時の市場には中途半端と受け取られた。

 今なら売れる余地があるかと思うが、売れない可能性も高い。2000年以降に発売された背が低く見えるクルマは、カテゴリーを問わず、売れ行きを伸ばせないからだ。クルマでは低重心が大切な要素だが、ユーザーには、高い天井が喜ばれる時代になった。

■三菱ミラージュディンゴ 1999年1月〜2002年12月

三菱 ミラージュディンゴ
三菱 ミラージュディンゴ

 ミラージュディンゴは、全長が4m以下に収まる背の高いコンパクトカー。全高は1600mmを超えていたから、ボディはコンパクトでも外観の存在感は強かった。

 特にフロントマスクは、初期型ではヘッドランプを縦方向に配置して小動物のような愛敬のある顔立ちを演出していた。

 大方の評判は「カッコ悪い」というものだったが、当時はすでにデザインの没個性化が進んでいたから、ミラージュディンゴの意図は理解できた。

 しかし売れ行きは案の定、伸び悩んだ。その揚げ句に実施したマイナーチェンジで、顔立ちが思い切り没個性になってしまった。

 それでも実際に使うと、相応のメリットがあった。インパネは機能的でATレバーがコラムシフト。前席はセパレートタイプだったから、前後席間の移動も容易だった。シートは適度な硬さで、内装の造りも良い。

 あれから15年を経過した今、三菱はスズキソリオの姉妹車となるOEMのデリカD:2を販売している。

 これも背の高いコンパクトカーで、外観の見栄えよりも、居住性、シートの座り心地、荷物の収納性が優れている。紆余曲折はあったが、ミラージュディンゴの真髄は、デリカD:2に伝わっているわけだ。

■マツダボンゴフレンディ 1995年6月〜2005年12月

マツダ ボンゴフレンディ
マツダ ボンゴフレンディ

 マツダが発売していた背の高いミニバンで、ボディの上部に装着されたオートフリートップが特徴だ。電動でテントが昇降して、大人2名の就寝スペースを確保する。今は道の駅などが普及して、車中泊を楽しむユーザーが増えた。

 今後、高齢になってリタイアする人が増加すると、オートフリートップのような装備が一層求められるだろう。

 今の「魂動デザイン」のマツダは、ミニバンと相性が悪く、プレマシーやビアンテのユーザーを切り捨ててしまう。CX-8は3列シートのSUVだが、ボディが大柄で価格はプレマシーの約2倍だから、乗り換えの対象にはなりにくい。

 そこでスポーティな「魂動デザイン」に基づく従来の新世代商品群とは別のシリーズを設けて欲しい。リラックス感覚がテーマで、主に背の高いコンパクトカーやミニバンをそろえる。

 この中にオートフリートップ装着車があれば、ユーザーの幅は大きく広がるだろう。オートフリートップは、今こそ求められている装備だと思う。

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