【トヨタbB、ホンダストリーム…】メジャーになれなかったクルマたち 6選

■ホンダエリシオン 2004年5月〜2013年10月

ホンダエリシオン
ホンダエリシオン

 背の高いLサイズミニバンで、ヴェルファイア&アルファード、エルグランドのライバル車であった。

 一番の特徴は居住性で、前述のライバル車よりもシートの座り心地が快適だった。特に差が生じたのが3列目だ。

 ライバル車は左右に跳ね上げて格納する方式で、先代ヴェルファイア&アルファードは、床と座面の間隔が不足して柔軟性も乏しかった。エルグランドは床と座面の間隔には余裕があったが、腰の近辺が妙に柔らかい。

 その点でエリシオンの3列目は、サイズに余裕があって座り心地も柔軟。着座姿勢もベストであった。格納時に座面だけを持ち上げて前に寄せる方式だから、左右跳ね上げ式に比べると、座り心地を上質にできたのだ。

 しかし左右跳ね上げ式と違ってコンパクトには畳めず、2列シートで使う時の荷室奥行が不足する。全高がライバル車に比べて100mm以上低いから、荷室高も足りない。そのために自転車のような大きな荷物を積みにくかった。

 さらに外観の存在感、インパクトも弱く、エリシオンには優れた特徴があったのに販売は低迷した。このほかディーラーの販売力がフリード、ステップワゴン、フィットに奪われたことも災いした。

■ホンダストリーム 2003年9月〜2014年6月

 3列シートのミニバンだが、天井を低く抑えて外観をワゴン風に仕上げた。初代モデルは1.7Lと2Lエンジンを搭載して、2000年に発売されている。

 この時点でホンダはスライドドアを備えた背の高いステップワゴンを用意していたから、性格の異なるミドルサイズミニバンをそろえた。

 ストリームは天井を低めに抑えて重心も下がり、スポーティな運転感覚が特徴だった。3列目のシートは窮屈だが、居住性を重視するならステップワゴンを選べば良い。

 当時はミニバンの普及期で「取り敢えず流行のミニバンを買おう」と考えるユーザーも多く、ワゴン風のストリームは相応に売れた。

 ところが2003年になると、トヨタがストリームとほぼ同サイズのウィッシュを発売。ストリームよりも内装を上質に仕上げて荷室の使い勝手も優れ、価格は若干安く抑えて人気を得た。ストリームの売れ行きは当然に悪影響を受けた。

 そこで2006年にストリームは2代目にフルモデルチェンジを行い、渾身の低床設計で、全高を立体駐車場が使いやすい1545mmに抑えている。

 走行安定性を向上させてスポーティなRSZも設定したが、この頃になると背の低いミニバンは全般的に苦戦を強いられ、ストリームも販売を回復できずに終わった。

■スバルエクシーガ 2008年6月〜2018年1月

 水平対向エンジンを搭載するスバルならではのミニバンだ。外観はワゴン風だが3列のシートを備える。売れ行きは2008年の発売当初から伸び悩んだ。理由は3つある。

 まず2008年の時点で、全高が1700mm以下のスライドドアを装着しないミニバンは、今日ほどではないが人気を低迷させていたことだ。

 背の低いミニバンのストリームは2000年、ウィッシュは2003年に発売されて相応の人気を得たが、エクシーガのデビューは2008年だから、ワゴン風のミニバンとしては遅すぎた。

 2つ目の理由はボディサイズだ。ミニバンはファミリーカーとして使われ、奥さんが買い物などに使う機会も多い。

 ヴェルファイア&アルファード、エスティマなどの一部車種を除くと、3ナンバー車は販売面で不利になる(ただし標準ボディが5ナンバーサイズに収まるエアロ仕様は好調)。

 3つ目の理由はスバルのブランドイメージだ。スバルのユーザーにはクルマ好きが多く、ミニバンはあまり好まれない。逆にミニバンを買う人は実用指向で選ぶため、趣味性の強いスバルブランドとは親和性が低い。

 このようにエクシーガにはさまざまな不利が伴い、2015年にクロスオーバー7に発展させたが成功しなかった。

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