共通した良さがあるが、共通する課題も
2台を乗り比べてみると、乗り味には共通した良さがある。大柄なボディのSUVとは異なり、上屋の軽さを感じられる軽快なハンドリング、そして、ダンピングの効いた足回り、平坦路での静粛性の高さなど、動的なクオリティが2台ともに高い。どちらを選んでも、同じように「マツダ流の走り」を味わうことができる。
気になるのは、どちらも18インチタイヤが標準だが、これがやや奢り過ぎに感じられることだ。荒れた道では、タイヤからのドシンバタンといった衝撃を、サスペンション側でいなし切れておらず、バタつきを感じてしまう。
平坦な道と、やや荒れた道で乗り味がガラッと変わってしまうのは、2台共通の課題だ。カッコイイホイールの17インチが欲しいところだ。
レンジエクステンダー版で本領発揮か
MX-30のBEV モデルは、2021年1月に追加される予定であり、販売はリース販売形式となるようだ。また、発電用ロータリーエンジンを備えたレンジエクステンダー版が、2021年内にお目見え、ともいわれている。
これまで、ストロングハイブリッドを持たなかったマツダが、遂に武器を手に入れることになり、マツダの大本命パワートレインとなるだろう。
現在、マツダUKのHPでは、BEVのMX-30が事前予約受付中の段階で、2021年3月より販売開始とアナウンスされている。バッテリーサイズは35.5kWhのみ、航続可能距離は欧州WLTC複合モード算出で124マイル(約200km)、価格は25,545ポンド(約362万円)から、となっている。
ちなみに、欧州市場でのBEVの相場は、VW ID:3の58kWhモデルが32,935ポンド(約466万円)、77kWhモデルは42,235ポンド(約598万円)、日産リーフは40kWhモデルが26,845ポンド(約380万円)、62kWhモデルは32,695ポンド(約463万円)であることを考えると、MX-30のエントリー価格はリーズナブルといえる。
「BEV化」に注目しがちな、昨今のクルマ業界だが、高効率のハイブリッドは、マツダが生き残るためには必要となる重要な武器だ。しかもマツダらしく、ロータリーエンジン前提でつくり込んでくるあたりは、大いに話題になること必至だ。このパワートレインを見ずして、MX-30の実力は語れない。
そして、このパワートレインは、必ずCX-30にも盛り込まれてくる、と筆者は考える。そのとき、MX-30とCX-30にどれほどの棲み分けができているのかも、非常に楽しみだ。
【画像ギャラリー】並べて見ると違いは一目瞭然? それともやっぱり似てる?? CX-30とMX-30 比べて画像でチェック
コメント
コメントの使い方