編集部総出で品定め!! マツダの新鋭MX-30は果たして買いか否か!?

 なんだかんだでクルマに乗らない日は年間に数えるほどしかないとウワサされるベストカー編集部員。その多くは、メーカーから借り出したクルマの取材地への移動などだが、それだけに一般公道領域でクルマから伝わってくる情報には、やたらと敏感だったりする。

 そんなベストカー編集部員による歯に衣着せぬインプレッションがウリの、本誌にて地味ーに人気のこの企画。今回はマツダが2020年10月8日に発売したコンパクトSUV、MX-30を対象にお送りする。

 マツダ入魂のマイルドハイブリッドSUV。はたしてどんな評価が下るのか?

【画像ギャラリー】マツダ新時代の旗手となれるか? MX-30の魅力を21枚の画像でチェック!!!

※本稿は2020年12月のものです
文/ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部、撮影/茂呂幸正
初出:『ベストカー』 2021年1月10日号


■マツダMX-30ってどんなクルマ?

 2019年の東京モーターショーに出展されたモデルの市販版。新たな価値観の創造に挑む車両に付けられる「MX」の名を冠し、前後乗降用ドアに観音開き構造を採用するなど、非常にユニークかつスタイリッシュなモデルとなっている。

 搭載するパワーユニットは、2Lガソリンエンジンをベースとするマイルドハイブリッド。FFのほか4WDも用意される。

マツダ MX-30。ボディサイズはほぼCX-30と同じだが、これまでの「魂動」デザインとは趣を異にする外観で差別化を図っている

■内装の雰囲気は高評価続出! 半面、走りの評価はマチマチ?

●編集部イイボシはこう見た!

 市街地走行は上質だけど、高速域は苦手。回すほど苦しくなる2Lエンジンがその印象に繋がっている。

 アクセルワークを丁寧にすればモーターのアシストもいい感じに利くが、すぐに売り切れる。その後のエンジンフィールがよくないので「運転が楽しい」という気分にならない。

かなり寝かされたDピラーが作るクーペ的スタイルが特徴のMX-30。写真は洗練された雰囲気を与える3トーンカラーモデル

 MX-30は市街地をおとなしく走るための、個性的で上質なクルマを目指していると見た。であれば、なぜSUVなのか? もっと小柄で扱いやすいほうがいいのでは?

 私には「?」だらけだが、それを好む人ももちろんいるだろう。本命は欧州ではすでに販売しているBEVなのでしょうね。

・パワー感:★★☆☆☆
・ハンドリング:★★★☆☆
・お買い得度:★★★☆☆

●編集部ウメキはこう見た!

 どう評価していいのか難しいクルマ。イチバン悩むのが、CX-30との棲み分け、ね。

 観音開きの後席ドアや、広いとはいえない後席スペースからみても、実質2ドアクーペの進化型みたいなイメージなのかな。

 走りは極めてスムーズ。モーターアシストが利いて、街中の低速からの加速はスッとアクセルに反応する。ちょっと路面の小さな凹凸にタイヤがバタバタする印象だけど、ま、許容範囲かな。

モダンコンフィデンスパッケージの内装。シンプルな造形がら温かみを感じさせてくれる

 後席に座ると、頭上がちょうどルーフに触れる程度で、膝は、えぐられた前席背もたれ裏の形状によりギリギリ触れるか触れないか。

 東洋コルクがルーツのマツダをイメージさせる、コルクを使った内装はいいね!

・パワー感:★★★☆☆
・ハンドリング:★★☆☆☆
・お買い得度:★★☆☆☆

●編集部ワタナベはこう見た!

 観音開きのフリースタイルドアと、クーペSUVの王道を行くスペシャルティなエクステリア。個人的に雰囲気のあるMX-30の佇まいは好ましく思っていた。

 実際にインテリアは個性的で、リサイクル素材を使ったファブリックのドア内張り、コルクを採用したセンターコンソールとドアグリップの内側は新鮮。

フリースタイルドアとともにMX-30の最大の特長、コルクが彩りを添える2階建て構造のセンターコンソール

 でも、2Lマイルドハイブリッドは高速でACCを使用した際に前走車との間隔が開き、加速し始めた時のエンジン音がかなりデカかった。

 また、観音開きドアのヒンジを受ける上部分が出っ張ってて、撮影で後席に乗せた女の子は、降りる際に思いきり頭をぶつけてた。このあたり、改善してほしいポイントかも。

・パワー感:★★☆☆☆
・ハンドリング:★★★☆☆
・お買い得度:★★★☆☆

●編集部イイジマはこう見た!

 北欧家具のような清潔感が感じられる内装は、とってもいい感じ。休日の朝に白い光に包まれながらコーヒーを飲むみたいな生活に憧れてる自分には、マジでたまりません。

 走りも悪くないです。高速の上り坂のようなシチュエーションではモーターのアシストを感じられるし、一回切ってからさらに切り増すような操作をすると、意外と中を向きたがるハンドリングなど、マツダらしいスポーティさもちゃんとあります。もちろんとびきりスポーティというわけではないですが。

モダンコンフィデンスパッケージで装着される白×グレーのシートは、コルクの色味とも合う

 惜しいのは内装の特徴であるコルク。見た目は柔らかそうなのに、触ると意外と硬い。これはもうちょっと柔らかい感じにしてほしいなぁ。

・パワー感:★★★☆☆
・ハンドリング:★★★☆☆
・お買い得度:★★★★☆

●編集部ババはこう見た!

 SUV特有の力強さが薄れ、どこかぼわ~んとしたエクステリア、コルクを採用した内装などに、女性主査ということが伝わる。

 そんな印象を感じながら走り出すと、回転数が高い時のブ~ンというエンジン音が気になる。「スポーツモード」にしても、音だけブ~ンが加味される感じ(笑)。

リアウィンドウの小ささもあり後席の開放感は今一歩。ひざまわりのスペースには余裕がある

 でも、全体的に優しさを感じさせる走りで、ここにも女性らしさがじんわり、と。そして、ブレーキのタッチが絶妙にいい! 運転のしやすさにつながると思う。

 首都高速でACCを試したが、マツダは新モデルが登場するたびに制御が進化していると実感。ステアリングが巧みに動き、レーンキープもソフトにやってくれる。

・パワー感:★★★☆☆
・ハンドリング:★★★☆☆
・お買い得度:★★★★☆

●編集部フルカワはこう見た!

 モーターアシストのある2Lエンジンは街中で気持ちよく走れる。乗り心地は荒れた路面ではわりと突き上げを感じるものの、悪くはない。走りは全体的にすごくいいとまではいかないけれど、なかなかよかったです。

 ただ、このクルマに初めて乗って感心したのは個性的な内外装でした。リアコンビランプやシート地のデザインなど、ディテールの部分ですごく頑張っている。

メーター表示は極めてシンプル。ココはもう少し、適度な華やかさがほしかったところ

 ボディタイプはSUVだけど、MX-30はかつてのクーペやスペシャルティカーなんですね。

 だから、観音開きドアを含め後席の広さなど、実用面はいまひとつだけれど、無難なクルマが多い今、個性が光るクルマだと思いました。

・パワー感:★★★★☆
・ハンドリング:★★★★☆
・お買い得度:★★★★☆

●編集部マツナガはこう見た!

 パワーはないけど、いいクルマ感が伝わってきます。EV版はどんな感じか気になりますね。同じ2L NAでも、トヨタのRAV4に搭載されているモノはパワー感も感じられていいんです。

 でも、MX-30の2Lはちょっと非力で、そこが少し残念です。マツダに低排気量ターボがあればなぁ……。

オプションのエクステリアパッケージ(7万7000円)を選択することで装着される、MAZDAロゴ入りDピラーメッキ

 ほかは凄くいいんですよ。乗り心地もゆったりとしてて快適だし、シートもいい。内装のデザインもスッキリして落ち着きがあるし、外観もオシャレ。観音開きのドアは駐車場でめちゃくちゃ不便そうですがカッコいいから許せる。

 EV版はこのパワー不足感が解消される“ハズ”ですので、自分ならEVを待ってから購入を考えますね。

・パワー感:★☆☆☆☆
・ハンドリング:★★★★★
・お買い得度:★★★☆☆

■今回もやっぱり頼っちゃった 評論家の意見も聞く

●飯田裕子はこう見た!

 クールな印象が強い近年のマツダ車のなかに、優しさと美しさを自然に感じられるモデルが登場したという印象。クーペのような伸びやかなスタイルと前後席のドアを開けた時の開放的な姿のギャップが新鮮。

 後席ドアだけを開けられないというネガはあるけれどアクセスもよく、チャイルドシートを含む後席に乗る人やモノへのサポートがしやすいのは嬉しい。

2L+24Vマイルドハイブリッドの走りは、肩の力を抜いた気負わない走りを演出してくれる

 コルクやペットボトルのリサイクル素材を採用した内装はシンプルながら、クロス採用のシートを選ぶとより温かみが増す。

 Bピラーレスの設計ながらボディ剛性も充分で、マツダらしいハンドリングと乗り心地のよさが得られ安心で楽しい。乗る人すべてに健やかな時間を与えてくれそう。

・パワー感:★★★☆☆
・ハンドリング:★★★☆☆
・お買い得度:★★★★★

●永田恵一はこう見た!

 乗ってみると全体的に普通といえば普通の範疇なのだが、操作に対して自然なハンドリングとブレーキ、ストローク感豊かなしなやかな乗り心地など、いろいろな部分がいい意味でマッタリとしており、クルマを日常のパートナーとしては使うには好印象。

独自のフリースタイルドア。フロントドアを開けないとリアドアが開かないのは不便、という声も

 その半面、自分でRX-8に乗っていた時にはあまり感じなかった「前を開けないと後が開かない」観音ドアの不便さ(考えてみるとRX-8で後ドアを開けた記憶はあまりない)、誤って後ドアを前ドアより後に閉めるとシートベルトの金具でドアに傷が付きそうなこと、操作を間違えそうなL字シフトなど、個性的すぎるところも少なくないので、そのあたりは自分に合うか、実車で確認してほしい。

・パワー感:★★★☆☆
・ハンドリング:★★★★☆
・お買い得度:★★★☆☆

■まとめると……

 走りについて「パワフル」と評価する声は皆無だったが、デザインに関しては評価する声多し。担当、個人的にはMX-30こそ令和時代のセクレタリー(秘書)カーだと思っている。

●マツダ MX-30 主要諸元
・全長×全幅×全高:4395×1795×1550mm
・ホイールベース:2655mm
・最小回転半径:5.3m
・車両重量:1460kg〈1520kg〉
・エンジン:直4DOHC+モーター
・総排気量:1997cc
・最高出力:156ps/6000rpm
・最大トルク:20.3kgm/4000rpm
・モーター出力:6.9ps/5.0kgm
・トランスミッション:6速AT
・WLTCモード燃費:15.6km/L〈15.1km/L〉
・価格:242万~265万6500円
〈〉内の数値は4WD


【番外コラム】MX-30の電動化戦略

 2019年の東京モーターショーにはピュアEVの欧州仕様が展示されたが、日本で発売されたのは2Lエンジンベースのマイルドハイブリッド。

 EVはどうなっているのか気になっている人も多いと思うが、ちゃんと2021年1月にリリース予定で進行している。ただ販売方法は検討中とのことであり、法人対象のリースのみとなる可能性もなくはない。

 もうひとつ気になるのが、前述のショー出展時からマツダが暗に匂わせていたレンジエクステンダーの存在。ロータリーエンジンを発電に使うコンパクトなシステムがウリとなるが、こちらは2022年前半に登場する予定となっている。

 MX-30の内外装が持つクリーンな雰囲気との親和性も高いため、デビューすれば一気に人気を集めることになるかもしれない。

ピュアEV仕様とロータリーエンジンを活用したレンジエクステンダーバージョンは2022年前半にも発売する方向で開発を進められている模様だ

【番外コラム2】MX-30 値引き情報

 発売したばかりの新型だが、売れ行きイマイチだから、これを指摘し強気に攻める。RAV4を筆頭にエクストレイル、CR-V、フォレスター、アウトランダーなど同クラスSUVと競合させ、最終的にはRAV4との一騎打ちに持ち込んで決着をつけるように交渉スケジュールを組む。扱うマツダ系列店は同一地区に別法人が複数あり、どこで購入しても差し支えないので、これを活用して同車種対決も絡ませ、好条件を引き出す。(TEXT/遠藤 徹)

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