コロナ禍時代 触れずに操作できるクルマのジェスチャー機能はどこまで進む?

コロナ禍時代 触れずに操作できるクルマのジェスチャー機能はどこまで進む?

 買い物をした後、スーパーの袋を両手に持って、クルマに戻ろうとすると両手が塞がっていて、リモコンキーはもちろん、キーを持っていればタッチするだけで開くスマートキーも使えない。そんな時に便利なのがリアバンパーに足を入れるだけで、トランクのバックドアが開くというハンズフリー機能がある。

 加えて、車体側面のスライドドアの下に足を入れるとドアが自動で開くハンズフリーオートスライドドアも、セレナをはじめ、ステップワゴンやフリード、N-BOXなどに設定されている(最近ではスマートキーに予約スイッチがあり、キーを持っているだけでスライドドアが自動で開くウエルカムパワースライドドア機能もあり)。

 こうした手を使って操作する機能は、エアコンやオーディオなどを手で操作するジャスチャーで行えるようになっており、つくづく便利な時代になったものだと感じる。

 このジェスチャーコントロールは、室内天井に設置された3Dカメラがユーザーの手の動きを読み取ることでコクピット中央の画面上に仮想の手を映し出し、手や指1本を動かすだけで、画面などに触れることなく各操作ができるのがポイント。

 例えば、コントロールディスプレイに向かって人差し指で小さな円を描くだけで音量調節ができたり、インパネに向かってVサインをかざすことでプリセットした機能を起動するといった操作を手の動きだけで行えるのだ。

 さて、コロナ禍時代にもマッチしているともいえる、触れずに操作できるジェスチャーコントロール機能。

 今後は、ますます増えていくのだろうか? モータージャーナリストの高根英幸氏が解説する。

文/高根英幸
写真/ホンダ メルセデスベンツ BMW 高根英幸

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運転以外の操作を簡略化する装備たち

2015年に世界で初めてジェスチャーによるインフォテイメントシステムのコントロール機能を搭載したとされるBMW7シリーズ
2015年に世界で初めてジェスチャーによるインフォテイメントシステムのコントロール機能を搭載したとされるBMW7シリーズ

 クルマを運転中は、できるかぎり運転に専念すべきだが、それ以外にもやらなければならない操作、やりたくなる行動が少なくない。スマホに友人からメッセージが入れば、運転中でも見たくなるし、得意先からの電話には出たくなるものだ。

 しかし、ながら運転は罰則が厳しくなり(減点6であり即、免停だ)、もしながら運転が原因で交通事故を起こせば、責任はより重くなる。

 ちなみに交通事故の報道で「現場は見通しの良い直線道路で…」という説明を耳にすることは多い。なぜ見通しの良い直線道路で交通事故が起こるのか、不思議に思ったことはないだろうか。出合い頭での衝突や、スピードの出し過ぎでカーブを曲がり切れないというなら分かるが、一番安全に思える「見通しの良い直線道路」でどうして交通事故が起こるのか。

 実は交通事故の発生状況で一番多く、およそ4割以上を占めるのが、直進状態での走行中なのである。それは、なぜか。歩行者や自転車の無理な横断という相手側の理由もあるだろうが、直進車側に問題があるとすれば、それは見通しの良い直線道路だ、ということによる油断が大きい。

 カーブを曲がりながら、あるいは交差点に迫っている時にラジオの選局をするドライバーはいないだろう。本来は信号待ちなどに行ないたいものだが、見通しの良い直線道路であれば気持ちに余裕が出て運転操作以外の行動を起こしやすくなる。

 そんな状況の解消にと、自動車メーカーは運転操作以外のエアコンの調整やオーディオなどの選択をしやすくするための工夫を進めている。オートエアコンやステアリングスイッチは、そんな配慮が込められた装備でもあるのだ。

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